
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、サイト「ガンガンONLINE」で連載中の漫画『ヤンデレカフェへようこそ』(スクウェア・エニックス刊)を紹介する。作者のひのみやさんが、8月22日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ひのみやさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■夢と希望を持って、待望のヤンデレカフェへ

対象に執着するあまり重過ぎる愛を注ぐ“ヤンデレ”を安全に楽しめるヤンデレカフェにやってきた男子高校生・倉木。勇気を出して扉を開けた倉木は、普通に見える店内がヤンデレの凶気を際立たせるための演出だと感動しつつ、予約していた個室へと案内される。
個室では事前にシチュエーションをリクエストできるため、倉木はヤンデレの部屋を選択。その後、部屋にやってきた目に光のない男性の登場に大喜びし、提供されたあやしい料理にもうっとりしていた。しかし、ヤンデレを堪能していると店にも伝えていない下の名前を呼ばれ、“本物”のヤンデレが顔を見せ始め…。
このヤンデレ好きとヤンデレの出会いを読んだ人たちからは、「最高過ぎてニヤけた」「清く正しく安全なヤンデレだ」「めちゃくちゃ行ってみたい」「ヤンデレ好きにはたまらんな」など、多くのコメントが寄せられている。
■「ヤンデレ好きの願いから描いています」作者・ひのみやさんに漫画創作へのこだわりをインタビュー

――本作では、ヤンデレカフェに“本物”のヤンデレが働いているようすがより恐ろしさに磨きをかけているように感じました。ヤンデレカフェをテーマとするにあたって、どのような点を重視されたのでしょうか。
「こんなカフェがあったら絶対に通ってみたい!」という自分自身の理想を重視しています。いちヤンデレ好きとして、「ヤンデレを楽しめるカフェがあったらどんなに素敵だろう、実際にあったらいいのにな」という気持ちから生まれた作品ですので、当初の思いからブレないことを第1に考えました。また、“本物”が紛れ込んでいるようすについても、「作られた設定ではなく、生まれ持ったヤンデレが見つかったら、絶対に恐怖と嬉しさが倍増するな」というヤンデレ好きの願いから描いています。ヤンデレの華である恐怖心を感じていただけたのなら嬉しいです。
――倉木はヤンデレ好きが高じてカフェを訪れましたが、“サービス”の範疇ならば何をされても喜んでしまうのでしょうか?
もちろんです!“サービス”の範囲を超えてしまったとしても、「きっとこれはカフェからのサプライズなんだ」と彼なりの解釈で受け止めて、ヤンデレを存分に楽しんでくれると思います。
――ふんわりとしたギャグ主体のかわいらしいシーンと、ヤンデレぶりが強調されるシーンとのギャップを描く際に、どのようなことを意識されているのでしょうか?
個人的に、ヤンデレの魅力は「普段の姿」と「内面に潜む底の見えない恐ろしさ」のギャップ萌えにあると考えています。ですので、ギャグ要素に引っ張られすぎず、ヤンデレという軸を崩さずに展開することで、その落差を楽しんでいただけるよう意識しています。
――本作で倉木が案内されたヤンデレカフェの個室は普通の部屋でしたが、よりヤンデレさが際立つ部屋なども存在するのでしょうか?
存在します!1話では倉木くんのリクエストで普通の部屋になりましたが、お店側が事前の希望に合わせて内装を用意してくれるんです。中には鉄格子や拘束具が備えられた、THE・ヤンデレ屋敷のような部屋も…。
――作中で登場した「異物混入してそうなメニュー」などヤンデレカフェでなければ目にかかれないものは、どのようなところから着想を得ているのでしょうか?
ヤンデレが大好きなので、さまざまなヤンデレ作品を楽しむ中でよく見かけた「ヤンデレあるある」をベースに考えています。メニューもまた、いちヤンデレ好きとして「こんな商品があったらワクワクして注文したい!ぜひ手に入れたい!」という願いから生まれました。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
自分の「好き」をたっぷり詰め込んだ作品ですが、一緒に楽しんでくださっている皆様からのお言葉やご支援にいつも深く救われています。温かく彼らの物語を見守っていただきありがとうございます!この世にヤンデレ好きの方が増えて、ヤンデレ作品がたくさん生まれますよう切に願っています。全国のヤンデレが苦しんで幸せになりますように!

