
橋本環奈が主演する月9ドラマ「ヤンドク!」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)が3月23日(月)に最終回を迎える。脳神経外科医・湖音波(橋本)が恩師・中田(向井理)の病と、病院の過失にどう向き合うのか。目が離せない展開が待っている中、WEBザテレビジョンではプロデューサーの高木由佳氏と貸川聡子氏にインタビュー。橋本&向井の演技秘話から最終回の見どころまで聞いた。(※高木由佳氏の「高」は「はしごだか」が正式表記)
■元ヤン脳神経外科医による痛快医療エンターテインメント
同作は、高校を退学した元ヤンキー娘・田上湖音波(橋本)が猛勉強を経て脳神経外科医となり、病気に苦しむ患者に真摯に寄り添いながら医療現場を改革していく痛快医療エンターテインメント。
キャストはほかに、湖音波が脳神経外科医を目指すきっかけになった人物で、湖音波を岐阜の病院から都立お台場湾岸医療センターに呼び寄せた医師・中田啓介役を向井理、新人看護師・鈴木颯良役を宮世琉弥、脳神経外科医・大友真一役を音尾琢真、院長・大河原嗣子役を大塚寧々、事務局長・鷹山勲役を大谷亮平、湖音波を心配し過ぎるあまり自身の食堂を一時休業して院内食堂で働いている湖音波の父・潮五郎役を吉田鋼太郎が務める。
■ファン感謝祭を通して視聴者の熱量を実感
――最終回直前となりましたが、視聴者からの反響はどのように感じましたか?
高木:これまでドラマの放送中にイベントをすることがほとんどなかったのですが、今回は途中でファン感謝祭を実施しました。環奈さんのご希望と、われわれ制作陣も見ている方の熱量を感じていたところがあったので、そういうところも兼ねて交流できる機会があればいいなと。そのときに、物語に関するマニアックなクイズを行ったんです。例えば、湖音波が元働いていた岐阜の病院名は?とか、許豊凡(INI)さんが演じるソン先生が中学生の時に住んでいた地域は?というような、画面の隅々までちゃんと見ていないと答えられない問題でした。それを答えてくださって、本当に見て楽しんでいただけているんだなと感じました。面白いですという感想以上に、うれしかったですね。
貸川:本当にそうでしたね。あと、もちろん毎週のオンエアでのリアクションもたくさんいただいていて。今作ではコミカルなシーンもかなり多くて、環奈さんもコメディエンヌなので、そういう面白さはあるんですけれど、それと同時に医療に関するメッセージを真摯に受け取ってくださっている感想が多いなと思って。それが伝わっているのがうれしいです。
■橋本環奈の人間性の魅力を出せる作品を作りたかった
――橋本環奈さんを起用した理由は?
高木:もともと企画があって橋本さんをキャスティングしたわけではないんです。私と貸川さんが一緒に連ドラをやらせていただくのは2度目なのですが、お互い橋本さんと過去にお仕事したことがあって。私は橋本さんが20歳のときで、貸川さんは彼女が18歳のとき。それで、20代後半の橋本環奈とやってみたいよねという話になって、事務所にスケジュールを伺いました。
このタイミングでできると決まってからは、どういうテーマを橋本さんが演じたら面白いか、コメディエンヌだけじゃない、彼女の人間性の魅力みたいなのを出せるものは何かと考え、ドラマで具体的に言うと「GTO」や「ごくせん」のような、いわゆる世間の壁とかを強いマインドで崩してくのがいいかもねとなりました。さらに、月9という枠でしたので、警察や医療、弁護士ものというのが基本の軸にあるので、そことわれわれが知っている“真の橋本さん”のキャラクターを存分に出せる企画はなんだろうとなったとき、ヤンキー×医療が思い浮かびました。そのテーマで探していたら、本当に実在の先生がいらっしゃると知り、2人で取材に伺いました。なので、どちらかというと当て書きに近いかたちで考えていったという感じです。
――向井理さんのキャスティングはいかがでしょうか。
高木:向井さんは私が「パリピ孔明」という作品で、連ドラと映画で、宣伝も合わせたら2年ほどご一緒させていだきました。そのときに、さらっといろんなことをされちゃうことがあったんです。嫌味なく核心をつくことをさらっと言うし、逆にいいこともさらっと言っちゃうみたいな。今回の中田という役は、その向井さんのイメージと似ているなと思ってお願いしました。
橋本さんと向井さんは初共演なのですが、ここまで師弟関係を出すことができて、相性もあったと思うのですが、本当におふたりをキャスティングしてよかったなと思いました。
■橋本環奈の見事な泣きのシーンにもらい泣き
――印象に残っているシーンはありますか?
高木:たくさんありますよね。
貸川:第1話の湖音波が事故に遭って、手術から目が覚めて親友が死んだと聞いたあとの橋本さんのお芝居。予想以上の熱量で、あそこまでシリアスに全身全霊で泣く姿に驚きました。監督も、私も、現場で泣いてしまいました。
高木:あと、第10話ですね。中田が初めて今までの気持ちをスタッフルームで湖音波に打ち明けるシーン。監督に抑えてと言われるぐらいに、橋本さんも向井さんも感情が入り過ぎて泣いてしまって。橋本さんは前室(※撮影の休憩場所)に入ってくるたびに、「マジ号泣案件だよ」と言いながら撮影に挑まれていました。あの日は、ほぼ2人だけの撮影だったこともあって、2人で話す時間も長かったでしょうし、そこまでに俳優同士で食事されたり、プライベートも含めてけっこう仲良くなっていたというのもあって、グッと感情が入ったみたいです。おふたりの熱量高い演技が印象的でした。
■橋本環奈の「元気かつ気配りと目配り」が撮影現場を盛り上げる
――撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
高木:毎日楽しそうで、飲み会みたいな感じでした。もちろんお酒は飲んでいませんが、みんなわちゃわちゃしてて。撮影現場の前室では、脳外チームは基本的に真ん中にあるテーブルを囲んで、みんなで丸くなっておしゃべりしていました。ドラマのSNSでオフショットが投稿されていると思うのですが、本当にあのまま、もしくはもっと騒がしい可能性もあるみたいな。それもキャストだけでなく、スタッフも含めて楽しくしていて。それはすべて座長の橋本さんの人柄があるからだと思いました。100人ぐらいいるスタッフの名前を全員覚えていて、気軽にみんなとしゃべっていたので、とても明るい現場でしたね。
貸川:本当、そういう感じでしたね。橋本さんの座長ぶりでいうと、いくつ目があって、いくつ体があるんだろうというぐらい、元気かつ気配りと目配りの人。主演女優だけど、助監督でもあり、制作部であり、なんならAPであり、プロデューサーであり、SNS担当までやっちゃうみたいな。「今、このオフショット撮りなよ!」みたいなアドバイスもくれたり。
高木:(笑)
貸川:でも、でしゃばっているということではなくて、気がついちゃうんです。ここはこうじゃないかとか、こうだったよというのをさらっと言ってくれて。それがちゃんと正しいので、みんながそうだよねとなる。本当に助けられて、それを含めて見事な座長ぶりでした。
■夢がふくらむ“エンタメの力”にも期待
――最終回の見どころを教えてください。
貸川:湖音波が中田に紹介状を出した1年前の件で、第10話で真相がかなり明らかになりましたが、その出来事が今度は病院をどう揺るがしていくのかというのが焦点になります。もちろん、中田の病状の行方も。湖音波と中田という師弟関係がやはりお話の中心になるので、2人がどうなっていくのかという関係性も含めて、楽しみに見ていただけたらなと思います。
高木:中田がいなくなったあと、脳外チームがどうなっていくかというところにも注目してほしいです。
――本作を通して、伝えたいことは?
高木:この作品を見て、脳外や心臓外科などに興味を持ち、ドクターになりたいなーと思う人が一人でも増えればいいなと思います。実は私は、「やまとなでしこ」を見て、CAになろうと思ったことがあるんです。CAになりたい、キラキラしたい(笑)と願った自分もいたので、やはりエンタメってそういう力があると思うんです。ドラマを見て、一つの夢がふくらんだり、憧れる選択肢が増えたらいいなという思いを込めています。
◆取材・文=神野栄子

