ある日の深夜、飲み会帰りの夫から「これから部下の家に行く」と衝撃の連絡が入りました。ストーカーにおびえる部下の女性からのSOSにパニックになり、危険を顧みず飛び出そうとする夫に、私は猛烈な怒りを覚えました。危機感ゼロの夫と対峙した、緊迫の夜のお話です。
ヒーロー気取りの夫が暴走!
娘が1歳のころのことです。飲み会帰りの夫から「今から部下の女の子の家に行ってくる」とLINEが入りました。何事かと驚いて問いただすと、電話越しの夫はパニック状態。以前から社内の男性に付きまとわれていた部下の女性から、「自宅の前にその男がいる」と助けを求められたというのです。
彼女にとって夫は、以前からこの件で相談をしていた、公式の窓口にあたる存在でした。緊迫した状況で夫を頼った彼女の気持ちは痛いほどわかります。しかし、お酒の入った素人が現場に向かって何ができるというのでしょうか。
「自分で行かずに、今すぐ警察へ連絡させなさい!」と夫を一喝した私。
私は以前、ストーカー対応に関わる仕事をしており、素人が安易に介入する危険性を熟知していたからです。しかし、上司としての責任感とお酒の勢いでヒーロー気取りになっている夫に、私の言葉は届きません。
結局、夫は私の制止を振り切り、現場へと向かってしまいました。
突きつけた正論と夫の猛省
その後、ストーカー男性が立ち去るのを見届けて帰宅した夫に対し、私は冷徹に言い放ちました。
「あなたのしたことは、ただの浅はかな暴走だよ。もし相手が逆上して、その場であなたも彼女も襲われたらどうするつもりだったの? 被害を広げる可能性も考えられないなんて、あまりに想像力がなさすぎる」
妻子ある身としての社会的リスク、そして家族をも巻き込みかねない無防備な行動。私の正論に夫はようやく事の重大さに気づいたようで、先ほどまでの勢いは消え、すっかり意気消沈していました。
部下を助けたいという思い自体は立派かもしれません。しかし、自分の立場や現場の危険性をわきまえない行動は、さらなる悲劇を招く恐れがあります。緊急事態こそ感情に流されず、冷静で正しい判断をしてほしい――。夫のあまりの無鉄砲さに、心底苛立ちを覚えた出来事でした。
取材・文/丸井のどか
著者:東山ナオコ/40代女性。2017年生まれの娘、夫の3人暮らし。元警備関連会社勤務。正義感が強く、曲がったことが大嫌い。趣味はキックボクシング。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)

