胃ポリープの検査法とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「胃ポリープができる原因」はご存知ですか?症状・予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
飯田 綾子(医師)
2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。
「胃ポリープ」とは?
胃のポリープという言葉は健診などで指摘されることも多く、聞いたことがある方も多いと思います。胃粘膜が内腔に膨らんだもののことを胃ポリープと呼びます。
ではポリープはどんな原因で起こるのか、またどう対処すべきなのかについて解説いたします。
胃ポリープの種類
胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープは、胃の内壁に生じる小さな隆起または突起のことで、特に胃の底部や体部に多く見られます。多くの場合、良性であり、癌化するリスクは低いとされています。
胃底腺ポリープの多くは、胃酸の分泌を抑制する薬剤(プロトンポンプ阻害薬など)の長期使用に関連して発生することがあります。また、ヘリコバクター・ピロリ感染の治療後に生じることもあります。
多くの場合、胃底腺ポリープは無症状で、健康診断や他の症状の調査のための内視鏡検査で偶然発見されることが多いです。診断は、内視鏡検査による視覚的な確認と、必要に応じて組織検査(生検)によって行われます。
多くの胃底腺ポリープは良性であり、特別な治療を必要としないことが一般的です。ただし、ポリープのサイズが大きい場合や、悪性の可能性が疑われる場合には、内視鏡的な切除が行われることがあります。また、ポリープの数が多い場合や大きさに変化がある場合は、定期的な内視鏡検査による経過観察が推奨されます。
胃過形成性ポリープ
胃過形成性ポリープは、胃の粘膜が局所的に過剰に増殖して形成されるポリープです。胃のポリープの中では最も一般的なタイプの一つで、多くの場合は良性ですが、まれに悪性化する可能性もあります。
胃過形成性ポリープの原因は明確にはわかっていませんが、慢性的な胃炎、特にヘリコバクター・ピロリ感染による胃炎と関連があると考えられています。
胃過形成ポリープも、上述の胃底腺ポリープと同様に無症状のことが多く、内視鏡検査で偶然発見されることが一般的です。診断は内視鏡による診断と、生検によって行われます。
胃過形成ポリープが小さく、悪性の徴候がない場合、特に治療を必要としないことが多いです。ただし、ポリープが大きい(2cm以上)、どんどん大きくなっている、数が多い、がん化(がんの併存)の可能性があるもの、出血し貧血の原因となるものが見られる場合には、内視鏡的な切除が行われることがあります。定期的な内視鏡検査による経過観察も、一部の場合には推奨されます。

