●契約書のサインはどうなる?
会社の営業として締結する契約書の場合、名義人は会社になります。担当者は会社を代理して署名するにすぎないため、それが通称名であっても、その担当者を特定できる状況であれば、法的には問題になりにくいと考えられます。
問題となり得るのは、担当者個人が契約当事者となっており、通称名ではなくまったく別の他人の名前を使ったりするような場合です。このような場合には、文書の種類によっては私文書偽造(刑法159条)の問題が生じる可能性があります。
以上のように、会社が承認した通称名を業務で使う限り、通常の営業活動において犯罪が成立するとは考えにくく、一般的には問題ないといえます。
●最終的には改名の布石になりうる
キラキラネームに悩む方であれば、将来的には通称名だけでなく、根本的に戸籍上の名の変更をしたいと考えるかもしれません。
戸籍上の名を変更するには、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
通称名を長年使用し、社会的に定着している実績を作ることで、氏名変更が認められやすくなる可能性もあります。
たとえば、広島高裁岡山支部昭和52年4月25日決定は、10年以上通称を使用し、通称がその名前であると信じられる状態となっていた者の改名を認めています。
そのためにも、会社の承諾をとって、営業活動でも通称名を使用し、人事記録なども本名と通称名を紐付けて管理してもらうことは有効と考えられます。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

