
■「助けてくれる優しい先輩」が豹変…18歳の新卒を襲った逃げ場のない恐怖
早く社会に出て、一人前になりたかっただけなのに――。18歳のきなこは、専門学校に通いながらとある料亭で正社員として働き始める。いびつな関係だった親元を離れ、新しい環境にワクワクしていた。若く社会人経験のないきなこにきつく当たるベテラン女性スタッフもいたが、いびられている時に必ずフォローしてくれるのが男の先輩・山田だった。最初は優しい先輩だと思っていたが、段々と距離感がおかしくなり、プライベートにまで踏み込み始めて……。

■「逃げることも自分を守る選択」著者が語る職場の境界線
――本作を描こうと思った最大のきっかけは何ですか?
当時はただ必死でしたが、時間が経って振り返ったときに、これは個人の問題だけではないのではないか?と感じたことがきっかけです。同じように違和感や不安を抱えながら働いている方に逃げることも選択肢のひとつだと伝えられたらと思い描き始めました。
――「善意の顔」をして近づいてくるストーカーを見分けるのが難しい理由はなんだと思いますか?
善意や心配の顔をしていると、それを疑うこと自体が難しくなります。はっきりした一線ではなく、少しずつ境界が曖昧になっていくため、どこからがおかしいのかがわかりづらいです。その曖昧さが、見分ける難しさにつながっていると思います。
――今、まさに職場で「距離感がおかしい」と悩んでいる人へ、アドバイスを。
まずは、自分の感覚を否定しないでほしいと伝えたいです。はっきりと説明できなくても、距離感がおかしいと感じているなら、その違和感は大切なサインだと思います。すぐに大きな行動を起こさなくてもいいですが、一人で抱え込まず、信頼できる人に一度相談してみてほしいです。それだけでも状況を客観的に見るきっかけになるかもしれません。自分を守る選択をしていい、ということを忘れないでほしいです。

■取材協力:きなこ・ジョンソン
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