心身を病み会社を休んだ亜紀に、士郎は「エナジーヴァンパイア」の存在を教える。聡里の特徴と合致することを知り、自分のせいではないと救われる亜紀。そんな中、反省の色がない聡里から身勝手な連絡がきて―――。
夫が調べてくれた、違和感の正体
翌朝、私は会社を休みました。体が鉛のように重く、起き上がることができなかったのです。士郎さんは会社を午前半休にして、私のそばにいてくれました。
「俺も聡里さんと亜紀のことが気がかりでさ、ちょっと調べてみたんだけど…」
士郎さんが見せてくれたタブレットの画面には「エナジーヴァンパイア」という文字がありました。
「エナジーヴァンパイア?」
「うん。一緒にいるだけで元気を吸い取られる相手のこと。本人は相手に自分のネガティブ感情を投げつけてすっきりするけど、聞いた方は滅入ってしまって、まるでエネルギーを吸血鬼に吸い込まれたみたいになるらしい」
私が疲れているのは、心の弱さじゃなかった
サイトを読み進めるうちに、私と聡里の関係にぴったり当てはまることがわかってきました。
「相手を支配したがって迷惑な時間に電話をかけてくる」
「相手の話を聞かず、自分の話ばかりする」
「アドバイスを攻撃と受け取る」
すべてが、聡里に当てはまっていました。私は親友だと思っていたけれど、彼女にとって私は「都合の良いエネルギー供給源」でしかなかったのかもしれません。
「聡里さんは自覚がないかもしれないけど、完全にこれに当てはまるよ。このままじゃ、亜紀の心が壊れてしまうと思う」
士郎さんの言葉が、真っ暗な部屋に差し込む光のように感じられました。私は自分を責める必要なんてなかったんだ。私が疲れていたのは、私の心が弱いからではなく、彼女に奪われていたからだったのです―――。

