ウジェーヌ・ブーダン 《ベルク、出航》 1890年 油彩/カンヴァス 79×110.2cm ランス美術館 (inv.907.19.34) C. DEVLEESCHAUWER©
印象派誕生から150年、そしてブーダン誕生から200年を迎えるこの2026年。ブーダンが美術史上で果たした役割を改めて見直したい。
見どころ①日本では約30年ぶりの回顧展!
ウジェーヌ・ブーダンは、戸外制作の重視や、空や雲、海など自然の中の「瞬間」に目を向ける姿勢から、「印象派の先駆者」の一人としてしばしば名前が挙げられる。
特に、若きモネを風景に開眼させ、導いたエピソードは有名だ。印象派関連の展覧会では、序章として作品が展示されることが多いが、ブーダンが主役となる本格的な展覧会は、日本では約30年ぶりとなる。
油彩画を中心に、素描やパステルも含めた約100点がフランスから来日し、初期から晩年までの画業全体を見渡すことができる。
ウジェーヌ・ブーダン 《ドーヴィル》 1888年 油彩/カンヴァス 50×75.3cm ランス美術館 (inv.907.19.32) C. LE GOFF©
この〈ドーヴィル〉は、ノルマンディーの海水浴場として名高く、ブーダンの終の棲家ともなった場所でもある。観光客が去ったオフシーズンの海辺は静かで、爽やかな空気感が画面全体に満ちている。
見どころ②「空の王」の実力を見よ!
ブーダンは、17世紀オランダ絵画やミレーやコロー、ドービニーらバルビゾン派から多くを学び、自らの作品へと活かしていった。
展覧会では、そんな彼の画業を「海」「空」、「建築」など8つのキーワードのもと、多角的に紹介する。
特に注目したいのが、ブーダンの作品の最重要モチーフである「海」と「空」だ。
ウジェーヌ・ブーダン《干潮》1884年 油彩/カンヴァス 117×161cm サン=ロー美術館 ©Musée d’art et d’histoire de Saint-Lô, Pierre-Yves Le Meur
〈干潮〉は、ブーダン60歳の作品で、国家買い上げとなった作品だ。画面の大部分を占める空の描写は、まさに同時代人から「空の王」と称えられたブーダンらしさが表れている。
