三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで3月27日に開幕するF1日本グランプリ。SNSなどでも盛り上がりを見せる中、あるチームの公式Xアカウントの投稿が、思わぬ形で波紋を広げています。
F1チーム「アストンマーティン」の公式アカウントが、日本滞在中の光景として、神社の絵馬の写真をXに投稿したところ、一般人の願い事や名前まで写り込んでいました。
日本のユーザーから「消してあげて」などの声が寄せられ、3月24日までに投稿は削除されました。
SNSでは、誰もがうっかり写真を投稿してしまう可能性があります。しかし、絵馬には個人の祈願や名前などプライベートな内容が書かれていることも多く、近年は取り扱いに配慮が必要との指摘もあります。
もし、こうした内容をSNSに投稿してしまった場合、どのような法的問題が生じうるのでしょうか。濵門俊也弁護士に聞きました。
●SNSでの拡散は想定されていない
──絵馬をSNSに投稿することは、プライバシー侵害と評価される可能性はありますか。
わざとした場合(故意)だけでなく、うっかり(過失)であっても、プライバシー権侵害として不法行為責任(民法709条、710条)を問われる可能性があります。
公共の場に置かれているからといって、必ずしもプライバシー侵害が否定されるわけではありません。絵馬は実際に神社に足を運ばなければ見ることができません。SNS上で不特定多数に拡散されることを想定していません。
──このほか、絵馬に関して注意すべき点はありますか。
「プライバシーを気にするようなら絵馬なんか書くべきではない」という意見もあるかもしれません。しかし、絵馬は本来、神様に願い事を伝えるために書くものであり、第三者に広く知らしめることを目的としたものではありません。
「このくらい大丈夫だろう」という感覚は、もはや通用しない時代になっています。SNSを利用する際には、こうした点へのリテラシーが求められるでしょう。
【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。
事務所名:東京新生法律事務所
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