「ボトックス」や「ヒアルロン酸」という名前は知っていても、「何がどう違うのか?」「自分にはどちらが合うのか?」が分からないまま、しわ治療を検討している人も少なくありません。今回は、KUMIKO CLINICの下島先生に、ボトックスとは何かという基礎知識から、ヒアルロン酸との違い、組み合わせ治療の考え方に至るまで、詳しく聞きました。
※2026年1月取材。

監修医師:
下島 久美子(KUMIKO CLINIC)
2000年、金沢医科大学卒業。杏林大学第一内科に入局後、東京都立広尾病院、都内美容クリニックなどで経験を積み、2014年にKUMIKO CLINICを開院、院長となる。美容医療の中でも、エビデンスに基づいたナチュラルな変化を目指す治療を提供している。
知っているようで知らない!? 「ボトックス」とは?
編集部
ボトックスについて教えてください。
下島先生
ボトックスは、ボツリヌス菌が産生するA型ボツリヌス毒素を有効成分とした注射で、筋肉の動きを一時的に弱める作用があります。“毒素”と聞くと不安に感じる人もいますが、医療用として無毒化され、厳格な基準の下で管理されています。美容医療では、筋肉の過剰な収縮を抑えることで、表情じわを目立ちにくくする目的で使用されます。
編集部
注射した部分にだけ作用するのですか?
下島先生
そうですね。注射した局所の筋肉にのみ作用し、全身の筋肉に影響することはありません。特定の筋肉の動きを弱めることで、その筋肉が原因となって生じるしわやハリを和らげます。局所治療である点が、ボトックスの大きな特徴です。
編集部
表情じわ以外に使われることもありますか?
下島先生
咬筋(こうきん)の筋肉に注入してフェイスラインをすっきり見せて小顔にしたり、ふくらはぎの筋肉を抑えて脚を細く見せたりする目的でも使われます。筋肉の動きを調整する治療として、幅広い部位に応用されています。
編集部
しわができる前に使うこともありますか?
下島先生
あります。表情の癖が強い人などには、しわの定着を防ぐ目的で使うことができます。これは、将来的にしわが刻まれる前に筋肉の動きを緩めておくという予防的な観点での治療です。
ボトックス注射が効果的な部位や特徴を解説!
編集部
どのような部位にボトックスが効果的ですか?
下島先生
代表的なのは額のしわ、眉間のしわ、目尻や目の下のしわ、唇の縦じわ、顎の梅干しじわなどです。いずれも、表情を作ったときに筋肉が動くことで生じるしわで、ボトックスの効果が発揮されやすい部位です。
編集部
さまざまな部位に有用なのですね。
下島先生
ほかにも、目元に注入することで目を大きく見せたり、優しい印象を出したりする効果が期待できます。また、下がり気味の口角に打つことで、口元の印象を明るく見せることも可能です。さらに、細かな表情の調整にも用いられます。
編集部
ボトックスの効果は、どのくらいで表れますか?
下島先生
個人差はありますが、注射後1〜2週間で効果が出始め、約3〜4カ月持続します。徐々に筋肉の動きが戻ってくるため、効果を維持したい場合は定期的な治療が必要になります。
編集部
「表情が固まる」「不自然になる」という心配はありませんか?
下島先生
そういった不安を抱える人は少なくないですね。しかし、適切な部位に適切な量を注入すれば、問題ありません。不自然になる原因の多くは量の過不足です。経験のある医師が調整すれば、自然な表情を保ったまましわを和らげることができます。

