
B&ZAI(バンザイ)の本高克樹が、3月26日に東京・早稲田大学の戸山キャンパスで行われた早稲田大学大学院学位授与式に出席。式典後にアカデミックガウン姿で囲み取材に応じた本高は、STARTO ENTERTAINMENT所属タレントとして初めての「博士号」取得を報告した。
■国際的に通用する最高位の学位を取得
本高は1998年12月6日生まれ、東京都出身の27歳。2011年8月に中学1年生で事務所に入所してアイドル活動を始め、3年生のときに受験勉強のため半年間活動休止。早稲田大学高等学院に進学し、2017年4月には早稲田大学・創造理工学部 経営システム工学科に入学。2021年3月に卒業すると、同年4月からは早稲田大学・創造理工学研究科 経営システム工学専攻 博士前期課程(修士課程)に入学した。
2023年3月に修了した後は同年4月に後期課程(博士課程)に入学、そして2026年3月に後期課程を修了。博士(工学)の学位を取得した。
「博士号」は授業を修了すれば誰でも得られるものではなく、特定の研究分野において独自の研究成果を生み出した研究者に授与され、国際的にも通用する最高位の学位。本高のように最低年数で取得したケースのほうが少ない。
満期退学も珍しくなく、芸能活動をしながらということも踏まえると、学部から9年間という最短年数・ストレートでの博士号取得は異例の快挙と言っても過言ではない。
式典を終え、今の心境を聞かれた本高は「博士課程は個人での孤独な戦いではあったんですけど、いろんな方から祝福していただいて、いろんな方に支えられていただいたのだなと。めちゃくちゃ感謝の気持ちでいっぱいです」とニッコリ。
しかも“最短年数”での取得という快挙に、本高は「(式典で)左右にいた学生さんともお話させていただいたんですけど、いろんな年齢の方がいる中、最短年数で取れたというのは自分としても誇らしいなと思います」と胸を張り、高校も早稲田ということで「全部合わせて12年間も早稲田に通わせていただいて、いいウイスキーぐらい熟成させていただきました(笑)」と、ウイスキーにたとえて表現した。
■一時は諦めかけたことも「『無理かもな』と思ってたんです」
そんな本高が研究してきた論文タイトルは「ライブ・エンターテインメント市場における超過需要下でのチケット販売戦略に関する社会シミュレーション研究」。博士課程では、ライブ・エンタメ市場におけるチケット販売に関する社会シミュレーション研究を中心に行ってきた。
2022年には公益社団法人日本経営工学会の2022年秋季大会で「Best Presentation Award」を受賞したことも記憶に新しいが、本高は「あのときは事務所に何も言ってなかったもので、『お前は何を書いてるんだ?』と一悶着あったんですけど、そこからちゃんと学位を頂けるところまでいけました」と述懐。
今でこそ笑顔で取材に応じているが、もちろん並大抵の努力では成し遂げられないこと。アイドルとしても毎年100公演以上こなしながら研究にも没頭し、博士号まで取得するまでは、決して平坦な道のりではなかった。
本高は「博士課程で最初の2年近くは、何も研究業績(博士号取得に必須)が上げられない日々が続いて、親にも教授にも『僕には取れない』と。いろんな先輩方が博士課程の途中で挫折しているのも、心が折れてしまっているのも見ているので、『僕も無理かもな』と思ってたんです」と振り返る。
続けて「ちょうど1年半前ぐらいからですね、いろいろ研究業績がポンポンポンと決まって、最後に研究業績の要件を満たしたのが、去年の『シークレットライフ -Secret Life of Humans -』という、僕の専門分野であるオペレーションズ・リサーチ(問題解決に関する数理的手法)の題材を扱った舞台の前日に国際論文誌への掲載が決まって、何とか最短年数でいくことができるという奇跡が起きました。運命を感じています」と、芸能活動との数奇な縁に驚いたことを明かす。
また、芸能活動との両立の秘訣(ひけつ)を聞かれると、とにかく休暇があれば論文を書くための研究に費やしてきたことを挙げ、「結果的に友達がいなくなっていくんですけど」と苦笑。「そこまでして没頭すると、何とか両立できます」と並々ならぬ決意をもって臨んでいたことを伝え、「論文を書いているときはその他のことは考えられなくなるし、アイドルのことをやっていれば他は考えずにやってきました」と、きっちり切り替えて進められたことも付け加えた。
■大学院への進学は先輩のSnow Man・阿部亮平がきっかけ
そもそも、大学院(修士・博士課程)に進むことを決めた理由を問われると、本高は「もともと大学院に行くつもりはなく、博士のことも知らなかったんです」と切り出し、「ただ、僕の尊敬する先輩である阿部くんがどうして大学院にいったのかという理由を聞いたときに、僕も道を広げるという意味でその選択肢があるんだなと。そこから始まり、(修士課程を終えて)ここまで続けてきた学びを止める理由はあるのかな、と思ったときに、両親や教授から博士課程に行ってみてはどうか、と言っていただいて。難しいけど、ちょっと試してみようぐらいの気持ちで始めました」と打ち明けた。
挫折しそうになったときは、尊敬する教授や憧れの先輩・阿部にも寄り添ってもらったそうで、「阿部くんにいろいろ相談させていただいた中で、阿部くんの後輩としても誇ってもらえるようになりたいという気持ちもありました」とした上で、「阿部くんは基本『こうしたほうがいい』と提示しない方なんですけど、『こうしたらこうだよね』とふわっと道筋を示してくれる。それに僕は阿部くんのことを尊敬していますし、素晴らしい方だと思っているんですけど、『克樹のほうが頭がいいんだからできるよ!』とか、そういう素晴らしい言葉をくださって。自己肯定感が上がるし、その言葉に『頑張ろう!』となって頑張れたのもありますね」と、支えてくれた先輩に敬意を表した。
もちろん博士号を取得したことも報告済だそうで「『阿部くんのおかげもあってここに立てます』と話したところ、『アイドルとして博士号を取るということは自分の決めたことだから、自分を労ってあげて』という言葉と同時に、『早くデビューして、おすしに連れてって』と言われまして(笑)。頑張らないといけないなと思いました」とアイドルとしての道もしっかり突き進み、恩返しをしたいという気持ちを口にした。
■メンバーの反応と今後の野望
現在は8人組グループ・B&ZAIのメンバーとして活動する本高。2月には東京ガーデンシアターで全国ツアー「B&ZAI LIVE TOUR 2026 -ROCK’N’DOL-」の東京公演を行い、5月8日(金)と9日(土)には追加公演として“夢の場所”日本武道館で「B&ZAI LIVE TOUR 2026 -ROCK’N’DOL- in 日本武道館」を開催することも決まっている。
博士課程に関するメンバーの反応を聞かれ、本高は「最初は本当にみんなポカーンって感じで、『すごいんだね』みたいな反応だったんですけど、いよいよ(博士号を)取れるってなったときに、世の中のいろんな業績を残している人たちが博士号を持っているか、持っていないか調べて、『持ってないから克ちゃんのほうがすごくね?』って変な煽りを始めまして(笑)。今日も授与式の様子を事務所の人がグループのほうに送ってくれて、みんなが『おめでとう』と言ってくれました」と、うれしそうに明かす。
さらに「こうやって(取材陣を見回して)皆さんに取り上げていただけることも、そんな未来も想像せずに、研究は孤独にやってきたので、メンバーやファンの皆さんの『おめでとう』という言葉、皆さんからもお祝いの言葉を頂けて、やってきて良かったなと思いました」と、しみじみ吐露。
その上で、あらためて本高は「ジュニアはやっぱり芸を極める場所ですから、それに差し支えのないように頑張ってきたとはいえ、どこかで迷惑をかけちゃっていた部分もあるし、『何のためにそんな学業をやってんだろうな』って思ってる人もいたかもしれない。それでもここまで僕を連れてきてくれた皆さんがいて、こんなにすてきな場を用意していただいて、身に余る光栄というか、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます」と、メンバーはもちろん、仕事と学業の両立を支えてくれた全ての人に感謝を伝えた。
今後については「まずはB&ZAIをいろんな方々に知っていただいて、国民的に愛されるようなアイドルになる、ということが一番に叶えたいこととしてあって、個人としては博士課程の3年間にダブルスクール(他大学)で教職課程もやっていて。実は申請すればいつでも高校生に教えられる状況なんです」と打ち明け、「どんな形になるかは分かりませんが、メディアを通して『教育ってこんなに素晴らしいんだよ』という発信をしたり、『改善できるところもあるよね』と提言するところまでいけたら」とこれからも“学びを止めない”姿勢を示し、目を輝かせた。
◆取材・文=月島勝利(STABLENT)
※本高克樹の「高」はハシゴダカが正式表記

