
2025年7月にモーニング娘。およびハロー!プロジェクトを卒業した生田衣梨奈。2026年1月1日には吉本興業への移籍を発表したことで注目を集めた。手厚く保護されたアイドルという環境から、自ら道を切り拓く実力主義のバラエティー界へ。移籍から3ヶ月が経過した今、新天地ではどのような環境に身を置いているのか。ここまでの手応えとともに、28歳からの再出発を語る。
■吉本移籍は明石家さんまのラジオ出演きっかけ
――元旦の吉本興業移籍発表はかなり注目を集めました。どのような経緯、考えで吉本に移籍したのでしょうか?
吉本さんからお話を頂いたのはラジオきっかけです。明石家さんまさんのラジオ(「MBSヤングタウン土曜日」)にゲスト出演していたことがきっかけで、吉本さんに声を掛けていただけました。だから、私は勝手にスカウトだと思っています(笑)。
――昨年5月の2nd写真集の発売会見では、移籍先はまだ未定ということでした。いつ頃、どんな理由から吉本に決めたのですか?
あのときはまだ本当に未定でした。モーニング娘。からの卒業、会社(アップフロントプロモーション)も離れると発表したあと、色々な事務所さんからご連絡を頂きましたが、それはどれも私への直接連絡だったんですよね。そうした中、吉本さんだけが会社に問い合わせてくれたんですよ。それが好印象というか、私的にはとても嬉しく思えました。
私はその時点ではまだ会社に所属していますし、私が一人で話しても決められないことがたくさんあったんですよね。吉本さんはそこを最初に解決してくれたので、お互い安心して移籍を進められたなって思います。
――吉本からの話を聞いたときはどう思いましたか?
「よっしゃ!」って(笑)。会社を離れると決めた理由がバラエティーへの進出だったから、そこは妥協して考えたくなかったんですよね。アップフロントは音楽事務所だから、どうしても番組から呼ばれる立場なんですよ。そうした中で吉本さんはバラエティーを作る会社で、その強みはすごいじゃないですか。
卒業してからの期間、お話を頂いた事務所さんとうまくまとまらなかったり、妥協したくないがために私が迷ったりもして、じつは不安になっていたときの吉本さんからのお話だったので、ほっとしたのもあるし、本当にいいご縁を頂けたなって思います。
■「モーニング娘。で活動できたことはマジ感謝」今は次の夢を追い駆けて
――さんまさんとはお話しましたか?
いえ。まだお会いもできていないんです。1月に移籍発表してすぐ、ヤンタンで私の話題を出してくださったので、ちゃんとご挨拶して、それのお礼もしたいんですけど。
――さんまさんはバラエティーをやりたいという生田さんに対して、「バラエティーのなにをやりたいのか」と言っていました。その答えとして、どんな考えを持っていますか?
“なに”と答えるのは難しいんですけど、私は小さい頃からテレビっ子でした。テレビで育って、テレビで芸能人というものを見てきたから、テレビの世界への憧れがすごく大きいんですよね。テレビで有名になりたいからこそ、バラエティーで名前を売りたいという気持ちが強いです。
モーニング娘。で活動できたことはマジ感謝です。これだけを見出しにしてほしいくらいです(笑)。でも、モーニング娘。を卒業した後にも夢はあって、次は大好きなテレビ、バラエティーで活躍したいという夢を追い駆けたいです。
■感動するレベルだった元祖バラドル・森口博子との共演
――移籍して3ヶ月になりますが、今の手応えはどうですか?
移籍して最初の出演が「ラヴィット!」(TBS系)の生放送というのは大きかったなって思います。それと、やっぱり楽しいです。今までできなかったことができていることへのワクワクドキドキ。ハロー!の一員だったときは、できないというより、モーニング娘。としての活動、モーニング娘。を守ることを第一に考えていたから。
今は生田衣梨奈がどうしたら売れるか、どうしたらもっとテレビに出ていけるかを考えているんですよね。マネージャーさんも考えてはくれつつ、やっぱりそこは自分が一番考えなきゃいけないことで。大変で難しいなって思うけど、すごく楽しんで考えられています。
毎回反省ばかりですけど、それでも「良かったよ」と言ってもらえたことが何回かあって、褒められるとめっちゃ嬉しい。褒められることがあまりなかったから(笑)。この歳で、28歳からの新人でまだまだ学びの場があるってすごくいいことだなって思います。
――共演して、「この人はすごい」と思った方はいましたか?
若槻千夏さん、森口博子さんです。
――そこに行きますか。元祖バラドルの名前が出ましたね。
若槻さんは一瞬で自分のターンにできるのがすごいですね。みんなが聞きたくなるようなフレーズでの入りが本当にうまいです。森口さんは、頭の回転がとんでもなく速い。感動するレベルでした。喋るときでも、私は台本を気にして迷うときがあるんですけど、森口さんはそれが一切なくて。合っているか合っていないかじゃない。台本が狙っていることをできるかどうかなんだって、森口さんとの収録からはそれをすごく学びました。
――芸人さんではどうですか?
最近、番組でお世話になっているのがかまいたちさんです。「なんで吉本に来たん?」っていうのを毎回振ってくださって、そこから自分のことを話せるし、ありがたいですね。なんでも拾ってくれるから安心して喋れます。

■守られていたハロー!プロジェクト、吉本に来て驚いた文化の違い
――モーニング娘。で頑張った13年で、今活きていることは何がありますか?
全く違うジャンルに来ましたけど、ハロー!で教わった貪欲さはここでも活きているなと思います。よく言われていたのが、一回の機会を二回にすること。それをするためにどうするか、ということを常に考えていたんですよね。そのせいなのか、「貪欲だね」ってよく言われます。ちょっとでも入ってこようとするって(笑)。バラエティーでなくても、どのお仕事をするにしても、ちゃんと考えられるように鍛えてもらえたなって思います。
――吉本に移籍して、文化の違いに驚いたことはありますか?
新幹線のチケットを自分で取りました(笑)。用意してくれないんだって、びっくりです。ハロー!はマネージャーさんが全部手配してくれていたんですよね。芸人さんに混じって私だけが異質だから、マネージャーさんの方も今までにない仕事をしていて大変だと思います。でも、その一緒に覚えながら頑張っている感じも楽しいです。
特技のゴルフも仕事にしていきたいんですけど、ゴルフバッグ、ウェアとかも全て自分で用意しないといけないのでコツコツお気に入りを集めているところです。以前は外に出るときの衣装、道具は全て会社が管理してくれていて、今アップフロントのありがたさがすごく分かります。
――ゴルフは「えりぽんカップ」を開催したり、人気でした。芸人さんにはゴルフ好きが多く、BSよしもとにはゴルフ番組もありますね。
でも、スポーツ部門、eスポーツ部門とか部署が細かくたくさんあって、そこにアピールしていかないといけないというのを最近知りました。なんとか頑張ります(笑)。
■ファンクラブ開設でファンとの交流も再開
――YouTubeチャンネルとファンクラブの開設もしましたが、ここはどんな場にしていきたいですか?
ファンクラブは自分の気持ちを書ける場所、ファンの方も巻き込んで、今後の作戦会議をするような場にしたいです。もちろん、イベントも開きたいです。やっぱりファンの方と会いたくて、ファンクラブで交流したいです。卒業して離れてしまったファンの方はいると思うけど、逆に吉本さんに来て新しく気になってくれている方もいると思うので、一から私のことを楽しく知ってもらえるようなコンテンツも考えています。
YouTubeチャンネルは、作戦会議で出てきたことを形にする場。まだ配信の数は少ないですけど、喋った方が楽しんでもらえるみたいです。女の子らしくメイク動画やオシャレなVlogも出したのに、再生回数が伸びなくて。登録者の比率を見ると女性の方が多いのに。おかしい(笑)。そういうわけなので、YouTubeチャンネルはバラエティー要素多めでお届けしたいと思っています。
――生田さん、筋肉動画は需要あると思いますよ。
筋トレ? 絶対に嫌だ! したくない!
――生田さんのファンは絶対、“鉄人・生田衣梨奈”の筋肉を見たいと思うんですけどね。
えー。じゃあ、ファンの方と山手線一周を歩くっていうトレーニングをしようかな。3時間ノーカットで配信(笑)。
■「グループの後輩たちが誇れるような生田衣梨奈になりたい」
――吉本に移籍しても、モーニング娘。のメンバーだったという印象は変わらず強いです。「元モーニング娘。」というのは、生田さんにとってどんな意味を持っていますか?
今はまず私個人を見てほしくて、それはこれからの生田衣梨奈を好きになってほしいから。その後に、「あ、この子もモーニング娘。だったんだ」っていうふうに覚えてもらいたい。正直、モーニング娘。の名前が大きすぎて、悔しさもあるんですよね。
「元モーニング娘。の」ではなくて、「バラエティーで活躍中の」と呼ばれるくらいまで頑張って、ファンの皆さん、グループの後輩たちが誇れるような生田衣梨奈になりたい。私の名前を誇りとして出せるようになったときに、モーニング娘。のメンバーだったというのを掲げたい。「生田衣梨奈がいたモーニング娘。ってすごいグループなんだ」っていうふうに恩返しができたら一番いいなって思います。
あ、でも、ハロー!は今年30周年なので、そこはたかっていきたいです(笑)。
◆取材・文=鈴木康道

