●弁護人「DVって言葉は聞いたことありますか?」
被害者の尋問は予定されておらず、双方の主張の真実は法廷で直接検証されることはなかった。
もっとも、裁判所で問われるのは、保護命令に反して接触した事実と、再犯のおそれである。弁護人は最後に被告人の認識を確認した。
弁護人:あなたは自分で嫉妬深いと思いますか?
被告人:疑うと嫉妬深いのと、嘘が嫌い。
弁護人:嘘をつく被害者が悪くて、自分は正しいと思っていますか?
被告人:嘘をつくなら理由をちゃんと言ってほしい。
弁護人:DVって言葉は聞いたことありますか?
被告人:はい。
弁護人:自分がそれに当てはまると考えたことは?
被告人:あまり…。
●ペットの骨壺を開けて「今から捨てる」
その後、被害者の意見陳述が検察官によって代読された。
被害者は、結婚生活を通して、強い支配や人格否定などを受け、常に精神的苦痛を感じていたという。暴行によって、鼓膜を損傷したこともあった。
「暴力を奮うのはお前のせい」と言われ、自分が悪いのではないかと感じることもあったという。
離婚の意思を示した際には、「離婚するなら殺す」「死ね」と首を絞められながら罵られたと主張した。
また、位置情報の共有を強要され、携帯電話を無断で見られるなどの行為もあったという。
パソコンや携帯電話を衝動的に捨てられたり、壊されたりしたこともあり、被害者が大切にしていたペットの骨壺を開けて「今から捨てる」と言われたこともあったと述べた。
被害者は被告人については「すぐ人のせいにする」「外面はいいが、身近には支配的」と指摘。
これまで約束を破り続けており、今回も反省しているとは思えないとして、「重大なことをしたと理解するために実刑を希望する」とうったえた。

