心配は膨らむばかり
美容師という職業柄、女性の扱いに慣れているのは当然だ。営業スマイルと本気の恋の区別がつかなくなっているんじゃないか。あるいは、ただの「狩り」を楽しんでいるだけなんじゃないか。
でも、かなでは本当にうれしそうだった。
「純一くん、仕事ですごく指名が多いんだって。忙しいのに私のために時間作ってくれるの、本当に優しいんだ。いつもおしゃれなお店につれて行ってくれるの!なかなかタイミング合わなくて家には行けてないんだけど、今度家で飼っている熱帯魚見せてくれるって!素敵でしょ!?」
その言葉を信じてあげたい。妹の初々しい恋路を邪魔したくない。 私は「お幸せにね」とだけ言って、その場を濁した。 この時の私はまだ知らなかった。その「優しい彼氏」の正体が、嘘で塗り固められた最低男だったなんて。
日常の中に潜む違和感は、ある日突然、最悪な形で姿を現すことになる。
あとがき:信じたい気持ちと、騒ぎ出す女の勘
恋に落ちた瞬間の無敵感って、本人には何を言っても届かないものですよね。「運命」という言葉でフィルターがかかってしまう妹のかなでと、社会の荒波を知って慎重になった姉のサツキ。この対比がリアルで、読んでいるこちらも「その男、大丈夫?」と身を乗り出してしまいます。清潔感があって、情熱的で、マメな美容師……。条件がそろいすぎている時ほど、裏があるのではと疑ってしまうのは、女の防衛本能かもしれません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

