【闘病】「私の人生、終わったかも…」 30代で降りかかった『炎症性乳がん』

【闘病】「私の人生、終わったかも…」 30代で降りかかった『炎症性乳がん』

検診に行くだけで安心せず、しっかり自分の体と向き合ってほしい

検診に行くだけで安心せず、しっかり自分の体と向き合ってほしい

編集部

noAさんが炎症性乳がん告知直後の自分に声をかけるなら、何を伝えたいですか?

noAさん

「大丈夫、1人じゃないよ! 今はつらいけど、ちゃんと乗り越えられるから」と、励ましてあげたいです。検査に行ったタイミングなど、そのときにできるベストな選択は十分にしてきました。「もっと早く見つかっていれば」と思わないこともないですが、後悔は一切ありません。

編集部

「乳がん」は知っていても、「炎症性乳がん」について知らない人は多いかと思います。そのような人に向けて伝えたいことはありますか?

noAさん

若くても、家族歴がなくてもがんになることがあります。私は正直、「家族にがん患者がいないから大丈夫だろう」と安心してしまっていました。炎症性乳がんはただの乳腺炎と思われがち。そして乳がんとしては稀なのですが、進行がとても速いので、特にAYA世代の方には検診を待つだけでなく「セルフチェックをきちんとすること」「何か少しでもおかしいと思ったらすぐ病院へ行くこと」、この2つだけお願いしたいです。

編集部

noAさんの体験から、医療従事者に期待することは何でしょうか?

noAさん

炎症性乳がんについて知ってほしいです。医療従事者であっても、私のようなケースにはなかなか出会うことがないと主治医から聞きました。そして、同じような症状に効く治療が見つかることを願っています。

編集部

最後に読者へのメッセージ、そのほかにも伝えたいことなどあれば、お願いできますか?

noAさん

抗がん剤の影響で、将来的に子どもは望めないかもしれないとわかったとき(「妊孕性温存」については、5月の検査で完全に閉経状態とわかりました。今は更年期症状に苦しんでいます)、病院ではたくさん選択肢を示してもらいましたが、私の場合はそのときあまりにも大変な状況だったため、金銭的、精神的に余裕がなくて諦めてしまいました。「子どもが大好きなのにお母さんになれないかもしれない」というのは、私にとってつらい現実です。だからこそ今は、「教育」という分野で子どもたちに関わることができ、今は本当に嬉しく思っているし、自分の仕事に誇りを持っています。同時に、自分と同世代のママたちの一番の味方になろうと思って活動しています。「ママだから」と諦めずに、自分の心と体をいたわり、自分の好きなことを思い切り楽しめるように、お手伝いをしていきたいと思います。この記事を含め、私の活動などを通して「具合が悪いときには病院に行こうかな」「今年はレディース検診に行こう」と思ってもらえたら嬉しいです。

編集部まとめ

炎症性乳がんは一般的な乳がんに比べ、比較的若年で発症することが多いとされています。加えて、診断の難しさから見過ごされやすく、気付いた頃には進行しているといったケースも少なくありません。炎症性乳がんの症状の特徴は、典型的には「乳房の皮膚の浮腫」と「発赤」(橙皮状皮膚、オレンジの皮のようになることから)です。ほかにもnoAさんが経験したように「熱感」「痛み」などの症状が乳房にあれば、炎症性乳がんの可能性を疑いましょう。特にセルフチェックは早期発見の鍵となりますから、定期的に自分の体に関心を持つことが大切です。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

寺田 満雄

記事監修医師:
寺田 満雄(名古屋市立大学病院乳腺外科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

配信元: Medical DOC

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