●法廷で持論を展開「考えごとを忘れたかった」
「こんな無茶苦茶な運転する子ってどんな子なんだろうね」
筆者が事件現場を訪れた際、近隣住民からそんな言葉を投げかけられることがあった。
一審の初公判で法廷に現れた元少年は、白いワイシャツに黒色のズボン姿で、不安そうな表情を浮かべていた。あどけなさが残る、おとなしそうな19歳相応の印象だった。
日本での生活が長く、日本語は不自由なく話せるようで、法廷通訳人を介することなく、はっきりとした口調で質問に答えた。
被告人質問で「なぜスピードを出したのか」と動機を問われると、このように回答した。
「いろんな考えごとや悩みごとがあって、あまり運転に集中できませんでした。運転に集中できないと危ないので、一旦考えごとをすべて忘れたいなと思い、スピードを出しました」
さらに、元少年は「交通法規」を無視するような持論を展開する。
「スピードを出せば、事故を起こさないために人や車に注意して運転に集中できると思いました」

●涙を見せた少年「罪深さを忘れません」
最終陳述で、時折涙を見せながら、元少年は自身の犯した過ちを悔いた。
「私は、今後の人生において、決して今回自分が起こしてしまったこと、自分が命を奪ってしまったという罪深さを忘れません」
その言葉からは、これからの人生を背負う覚悟をしたようにも感じ取れた。

