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「宇宙に着いたら、最初に何をする?」野口聡一が語る"国際宇宙ステーション"での初ミッション|野口聡一

「宇宙に着いたら、最初に何をする?」野口聡一が語る"国際宇宙ステーション"での初ミッション|野口聡一

めまい、吐き気、頭痛、倦怠感 3人に2人がなる「宇宙酔い」

地球と宇宙のもっとも大きな違いは、重力の有無ではないでしょうか。

ふだんの暮らしで重力を意識することはまずありません。けれど、立つ、歩くといった行為ができるのも、コップのなかにコーヒーやジュースがとどまるのも、浴槽にお湯がたまるのも、服がからだに沿うのも、重力があるからこそ。体内の血液や体液、さらには臓器も、重力の影響を受けてからだの下側(足側)に引っ張られています。

ところが、宇宙空間には重力がありません。重力に慣れたからだにとって、これは異常事態です。足元がバタバタして落ち着かず、胃をはじめとする臓器が浮く感じがします。頭部に流れ込む血液が増え、逆立ちしたり、鉄棒に逆さにぶら下がったりしたときのような頭部の不快感を覚えます。これが「宇宙酔い」です。

ISSに到着した日は、無事に到着した興奮でアドレナリンが大放出されているため、宇宙酔いはそれほど気になりません。けれど、2日目になってアドレナリンの分泌が落ち着くと、体調の異変に気づきます。ひどい宇宙酔いにおそわれ、めまいを訴えたり、吐いたりする宇宙飛行士は少なくありません。頭痛、頭重、虚脱感、倦怠感、食欲不振などの症状を呈する人もいます。

宇宙飛行士は無重力に慣れるためのさまざまな訓練を受けていますが、それでも、はじめて宇宙飛行に臨んだ宇宙飛行士の3人に2人は宇宙酔いを経験するといわれています。宇宙酔いは宇宙で暮らす人にとって通過儀礼の一つといえるでしょう。

幸いにも、3日もすればからだが無重力に慣れて宇宙酔いは治まります。ただ、プロの宇宙飛行士の場合は宇宙酔いで3日も寝込むわけにはいきません。短期滞在の場合はなおさらです。船長が宇宙酔いでダウンするのも避けたいところです。船長が寝込んだら、すべての業務に支障が出かねません。そこでプロの宇宙飛行士は、宇宙酔いがひどいときは、治療薬を注射して対処することになっています。そのための訓練も地上ですませています。

ここで、「自分は乗り物酔いがひどいから、宇宙で暮らすのは無理かも……」と悲観した人に朗報です。宇宙酔いのメカニズムはまだ完全に解明されていないものの、地上での乗り物酔いと宇宙酔いには相関関係がないと考えられています。

地上ではあんなに乗り物酔いに苦しんだのに、宇宙ではピンピンしていた。

もしかしたらあなたは、そんな「宇宙仕様」のからだの持ち主かもしれません。

配信元: 幻冬舎plus

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