●対話の再開と歴史的価値尊重する補修求め署名提出
今回、寮生が「現棟」から一時退去するのは、和解内容を実行するためだ。
一方、大学は和解で「速やかに耐震工事に着手し、遅くとも5年以内に工事を完了することに努める」ことに合意している。しかし、寮自治会との交渉に応じないままで、工事の計画も示していない。
このため寮自治会は、対話の再開と建築的・歴史的価値を尊重した補修を求める署名活動を展開してきた。退去が迫った3月19日、集まった8858筆の署名を大学に提出した。署名は吉田寮の模型の中に入れ、神輿を担いで学務部まで運び、職員に手渡した。



●大学と学生という非対称な権力関係の中で
この後、現棟の玄関前では、教員有志も参加して吉田寮自治会の会見がおこなわれた。寮自治会の奥山朱凜さんは次のように語った。

「大学と学生という非対称な権力関係の中、互いが納得する問題解決に向かうために、一刻も早く対話を再開すべく、市民の皆さんの力をお借りしたいと思って署名を集め始めました」

一方で、大学が和解内容を実行するのかどうかについての不安も口にした。
「現在明け渡しまで2週間を切っていますが、耐震工事の内容に関する話し合いの要求に対して(大学の学生寮責任者は)沈黙し続けています。
今回の署名も理事に直接受け取ってもらうことを求めたのですが叶わず、理事がどのような意向を持っているのかも伝わってこないという現状です。
私たちは率直に不安を感じています。吉田寮現棟というこの魅力的な建物が、これからどうなっていくのかということを大学に一方的に決められては困ります。
耐震工事に協力するために明け渡しをするのですが、大学側が速やかに耐震工事をおこなうという協力的な姿勢を示してくれないことに対して不公平感を感じています」

