
台風が勢力を強め、上陸や通過で大きな被害が出る季節。元宅配会社勤務のゆきたこーすけさん(@kosukeyukita)が、自身の経験をもとに描く「運び屋ゆきたの漫画な日常」から、悪天候にまつわるエピソードを紹介するとともに、ゆきたさんに当時の状況を聞いた。
■台風待機中に鳴った一本の電話



台風が上陸すると予報されたある日、ゆきたさんの勤務地である名古屋を台風が直撃した。「かなり風が強くなったころに『集配中止』の指示が出たのですが、僕は少し会社から離れていたので、帰社せずに現場で待機することにしました」と、ゆきたさんは振り返る。
雨風をよけられる公園脇に車を停め、車内待機を決めたゆきたさんだが、「トラックは横風に弱いので、車がガンガン揺れて怖かったです」と当時の恐怖を語る。トタン板が飛んでいくのを見て、「やばいな、こりゃ」と台風の威力を肌で感じたそうだ。そんな待機中に一本の電話が。「1軒だけ再配達に来てくれというお客さんがいて、驚きました」と、まさかの依頼に唖然としたという。
■災害後の配達員を襲う激務
結局、台風は2時間ほどで過ぎ去り、夜には何事もなくなったため、ゆきたさんは通常通り夜間の配達に出たという。真面目なゆきたさんらしい対応だ。
「集配中止」が出ない程度の強風でも、配達員は苦労することが多い。マンションのドアが開かなくなったり、運搬中に荷台が風にあおられたりする様子も漫画に描かれている。
ゆきたさんは、台風シーズンに配達業界で起こる内情を明かした。「台風が来ると一時的に遅れたり、ストップしたりします。長距離トラックが走れなくなるし、ベース(集積所、中間仕分け所)が停電で一時的に稼働できなくなった、なんて話も聞いたことがあります」。そして、これが台風が去ったあとの激務につながるという。
「台風の翌日、翌々日あたりが非常に忙しくなったりします。延着の荷物も大量に届くので、対応に追われたりします」と語る。台風が続く季節、配達員の安全と負担を考えてほしいものだ。
取材協力:ゆきたこーすけ(@kosukeyukita)
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