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市川右團次、最終回に息子の市川右近をゲストに迎え 明治元年から続く早稲田の老舗店へ<今宵、町寿司で>

市川右團次、最終回に息子の市川右近をゲストに迎え 明治元年から続く早稲田の老舗店へ<今宵、町寿司で>

「今宵、町寿司で 市川右團次と小粋な一献」
「今宵、町寿司で 市川右團次と小粋な一献」 / (C)BSテレ東

BSテレ東で毎週土曜夜10時から放送中の「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」。古くから地元で愛される町寿司を、歌舞伎俳優の市川右團次が酒を酌み交わしながら店の歴史や職人の矜持を伺う。最終回となる3月28日(土)はゲストに市川右近(二代目)を迎え、老舗町寿司を親子で楽しんだ。

■親子6代続く老舗店「八幡鮨」へ

「もう11回もやらせていただいて、今回12回目になりました」と新宿・早稲田の水稲荷神社を背景に始まった最終回。最終回にふさわしく、右團次はこれまで堪能してきた町寿司について振り返っていく。味や工夫はいわずもがな、いずれの店でも親子や常連さんとの“繋がり・絆”が記憶に残っている。そこで「絆つながり」といって呼び込んだのが、本日のゲストにして息子の歌舞伎役者・二代目 市川右近だ。

今宵の町寿司は、「明治元年創業 5代目店主と倅が継ぐ 伝統と革新の江戸前寿司」がキーワード。右近は“初の町寿司”ということもあり、「ちょっと緊張するかもしれない」と150年という歴史ある店に緊張していると明かす。まだ若干15歳…2026年春から高校生という年齢を考えれば、当然とも言っていいだろう。ただ寿司は父に負けないほど好きなようで、イクラなら「いければ20貫」と豪語していた。

訪れた店は東西線早稲田駅から徒歩8分ほどの位置にある「八幡鮨」。親子仲良く話していると店先が見え、「着いた着いた!」「右近さん行きますよ」と右團次が呼びかける。普段より少しはしゃぎ気味で声が弾んでいるところに、右團次の喜びようが伺える。

「こんにちは、歌舞伎の市川右團次でございます」と丁寧なあいさつをする右團次に倣い、右近も「市川右近でございます」とあいさつ。大将の安井栄一さんに席を案内されて着席した2人に。雨のなかということもあって大将から「お足元悪いなか…」と温かいもてなしが始まった。

同店は大将弘さんと息子の雄哉さん、そして雄哉さんの親友であり職人の北島さんがカウンターに立つ。先代の4代目であり栄一さんの父・弘さんから受け継いだ技を、いままさに次世代の雄哉さんへ受け継いでいるところだという。

雄哉さんは「200年に向けて継いでいけるように」「重みは感じますね」と早くも決心をしているようすで、その姿を見守る大将の表情は優しげに見えた。

■息子・市川右近と舌鼓を打ちながら修業を語る右團次

いつもと変わらずビールを頼む右團次と、ウーロン茶を注文する右近。しかしここで大将から「あとね、エルダーフラワートニックウォーターっていうちょっとおしゃれで美味しいのもございますけど」と提案され、右近はそれをいただくことに。

「知らなかったんじゃない?」と茶化す右團次に、「聞いたことない」と素直にうなずく右近。普段のやり取りも想像できる仲の良さだが、大将もピンと気づいたのが「今日お召し物もお揃いなんですねぇ」という点だった。2人は色違いの親子ペアルックを身につけており、右團次は「いつもは違うものを着ていますけど」と言いながらも照れ臭そうに笑みを浮かべていた。

親子で乾杯してから「今日はこちらの名物のおまかせで」と伝える右團次に、大将は「承知しました」と小気味良く返事。まずは「春を盛り込みまして」と言って提供されたのが「出汁を含ませたうすい豆」「揚げた玉ねぎと柚子餡の新感覚ポテトサラダ」「ホタルイカ」の前菜3種盛りからスタートし、蒸した白魚の握りや中トロの握りをいただく。

中トロは自家製のタレに一晩漬けて、そこからさらに約一週間冷蔵庫で寝かせるという手間のかかりよう。これは保存性を増して熟成を進みやすくする方法で、大将が先代から受けた教え「無駄を出さない職人こそいい職人だ」を守るために考え抜いた技の1つだという。大将は先代の言葉により良い方法を考え続け、新旧の技術を融合させた新しい寿司を提供していると明かす。

修業時代の話では、「僕らと一緒だね」と右團次も共感する形で盛り上がる。大将は外で修業もしたが、ほとんどが先代の仕事を横で見て、若衆に教わり…と話す。右團次も右近への教育では「教えるときはちゃんと教えて」としつつ、他の弟子衆から教わったり見て覚えることを基本としていると語った。言葉だけではなく意欲的に見て盗み、自ら励んで手に入れた技術でなければ通用しないのは、伝統技術の世界では共通しているのかもしれない。

和気藹々と話していると、常連さんも来店してさらに盛り上がる。なんでも6歳の頃から通う40年来の常連さんだそうで、「八幡鮨へようこそ…って言ってもいいんですか?」と茶目っ気を出すと「いいですよ〜」と大将も気さくに返事をする仲だ。他の常連さんも、「人間関係」が良いからと、大将の人柄に惚れて通っているという。

「普通のお寿司屋さんでやらないことを色々と工夫して珍しい方法で食べさせてくれる」という言葉どおり、ほかにも出てくる寿司は驚くものばかり。北海道厚岸産のエゾバフンウニは薄くそいだ真鯛で巻かれた軍艦で、ウニにはフランスはバスク地方の塩がかけられている。鯛もウニと同じくらいの柔らかさになるまで熟成したもので、「面白いね!」「不思議…」と市川親子を楽しませてくれる。

さらに“寿司は野菜が不足しがち”ということで、レタスを使用した“寿司バーガー”も開発したのだと大将。焼き豆腐、シャリ玉、炙りニシン、あん肝をレタスで包んでいただくバーガーは、右近も「めっちゃおいしかった」と思わず笑いがこぼれる革新的な味わいだ。

ちなみにイクラ好きと話していた右近。「今日は一貫でいいですか?」「ちょっとパパの懐が寒くなるんで…」と言われながら注文したイクラ軍艦には、「うまい…!」と今日一番の笑顔を見せるのだった。

■最終回、市川右團次渾身の一言

「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」では、お邪魔した町寿司にお礼の言葉と手拭いを渡すのが恒例となっている。今回は、「158年そして五、六代へと 歴史を紡ぎながら 進化する 八幡鮨!!!」を送った。

何代も続く老舗の寿司屋だけあって、その思いは歌舞伎役者である2人も共感する部分が多数。6代目の話を聞いて「これから…パパの師匠の猿翁さんから パパしか受け継いでないものあるじゃん、それを受け継いでいかなきゃいけないなって」とこぼした右近の言葉には、右團次も感慨深い気持ちになったのではないだろうか。

親子2人で心ゆくまで堪能した今宵のお会計は、1人8500円と驚きの安さ。12回に渡る放送で多くの縁や絆を見てきた右團次だが、今回は親子共演ということでさらに思い出深い一日となったことだろう。役者にならなかったら寿司屋になりたかったというほど寿司好きな右團次に、また会える日を心待ちにしたい。

最終回を迎えた「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」はTVer、ネットもテレ東などの配信サービスで見逃し配信中。

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