国民病として、患者数が急激に増加している「糖尿病」。糖尿病にはステージがあり、進行すると症状や治療方法も変わってきます。今回は、糖尿病が進行すると、どのような症状が出るのかについて、「そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院」の薗田先生にうかがいました。

監修医師:
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)
日本医科大学卒業後、東京臨海病院初期研修、東京都済生会中央病院勤務を経て、2023年そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院を開院。高校時代、糖尿病になり苦しんでいる父親を救いたいという思いから糖尿病専門医を志す。外来診療で伝えきれないダイエットや血糖値改善のための食事や運動の方法を親しみやすい医師「血糖おじさん」としてYouTubeやInstagram、書籍、メディアを通じて広く情報発信している。日本内科学会内科認定医。日本糖尿病学会糖尿病専門医。
編集部
糖尿病が進行すると、どのような症状が表れるのですか?
薗田先生
一例として、以下のような症状がみられるようになります。HbA1cが7%以上の状態が5年以上続くと、このような症状がみられやすくなります。手がしびれる
皮膚がかゆくなる
ものが見えにくくなる
視野が欠ける
編集部
なぜ、そのような症状が表れるのですか?
薗田先生
糖尿病には様々な合併症があり、病態が進行するにつれて、これらの合併症を引き起こしやすくなるからです。
編集部
糖尿病には、どのような合併症があるのですか?
薗田先生
代表的なものは「三大合併症」と呼ばれています。具体的には「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」です。糖尿病の三大合併症は、「神経障害」の「し」、「目に起きる網膜症」の「め」、「腎症」の「じ」の頭文字を取って、「しめじ」と覚えましょう。
編集部
それぞれの合併症について、もう少し詳しく教えてください。
薗田先生
まず糖尿病性神経障害は、糖尿病による合併症の中で最も多く発症します。神経の働きが阻害されて、手足にしびれを感じたり、怪我などの痛みに気づきにくくなったりします。そのため、ちょっとした傷でも化膿することがあるのです。
編集部
なぜ、神経の働きが阻害されるのですか?
薗田先生
糖尿病になると血液がブドウ糖を多く含むようになり、ドロドロになって血管の壁を傷つけます。それにより、体の末端にある足や手の細い神経が傷つくのです。同様の理由で、目の網膜がダメージを受ければ糖尿病網膜症、腎臓の糸球体という組織がダメージを受ければ糖尿病性腎症を引き起こします。
編集部
糖尿病網膜症を発症すると、どのような症状がみられるのですか?
薗田先生
眼球の奥にある網膜の細い血管が障害を受けて、大量出血を起こしたり、網膜剥離を引き起こしたりします。そして最悪の場合、失明に至ることもあります。
編集部
失明することもあるのですね。
薗田先生
はい。糖尿病網膜症の怖いところは、失明の直前に視力障害が起きるまで、全く症状がないことです。これはいわば、気づかないうちに爆弾が育っているイメージでしょうか。視力障害が起こり、見えにくい、かすむといった症状がみられるようになって、初めて気づくことが多いのです。
編集部
恐ろしいですね……。最後、糖尿病性腎症についてはいかがでしょうか?
薗田先生
糖尿病によって腎臓がダメージを受け、老廃物を尿として排泄できなくなり、人工透析が必要なることもある疾患です。糖尿病性腎症も初期は、自覚症状がほとんどありません。
※この記事はメディカルドックにて<「糖尿病」の合併症、あなたは何個わかりますか? 症状・治療法も医師が徹底解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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