シール帳の行方に胸がざわつく
胸の奥が、つめたい風に吹かれたようにザワつきました。
「そのとき、周りに他に人はいた?」
「ううん……3人だけだったよ」
みちるは、ポロポロと涙をこぼしました。私はすぐに2人のママにLINEをしました。
「みちるのシール帳が見当たらないんだけど、何かの拍子にまぎれ込んでいたりしないかな?」
返信はすぐに来ました。
「えーっ!大変!リナに聞いたけど見てないって。見つかるといいね」
「ななかも知らないって言ってるよ。だれかに持っていかれちゃったのかな……」
2人の返信は、どこか他人ごとのように感じられました。
もちろん、私の思い過ごしかもしれません。でも、あの公園には3人しかいなかった…。だれかが目をはなしたスキに、持ち去ることは容易だったはず。
「……信じたいけど、なんだかイヤな予感がするの」
夜、帰宅した雅也に相談すると、彼はまゆをひそめました。
「子どものすることだ、どこかにおき忘れただけかもしれない。でも……もし、確信があるなら、もう少し様子を見てみよう」
うしなわれたシール帳。みちるの悲しそうな横顔を見るたび、私の中の「違和感」という名の種は、少しずつ芽を出し始めていたのです。
あとがき:ママ友という「危うい均衡」の上に立って
「ただのシール」と言ってしまえばそれまで。けれど、親にとって、わが子が目をかがやかせて集めた宝物は、何物にも代えがたいものです。
それをうしなった娘の涙を見たとき、胸がしめ付けられるような痛みを感じるママも多いはず。「仲良し」だと思っていたママ友からの、どこか他人ごとな返事。その一言に潜む違和感が、平穏な日常につめたい風を吹き込みます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

