「メタボリックシンドロームの診断基準」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「メタボリックシンドロームの診断基準」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「メタボ」だけど栄養不足の可能性も!肥満とメタボは一緒だと思っていたら違う病気だったなど意外と知られていないメタボの正体。

ドミノ倒しのように連鎖していく「メタボリックドミノ」はやがて心不全や認知症にたどり着くかもしれません。

※この記事はメディカルドックにて『「メタボリックシンドローム」の診断基準・予防法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

メタボリックシンドロームの診断基準

体重計

メタボリックシンドロームはどんな病気ですか?

内臓脂肪症候群ともいわれ「内臓脂肪蓄積」+「高血圧・高血糖・脂質代謝異常・耐糖能障害」などのリスク因子との合併症のことを指します。これにより心臓病や脳卒中などの動脈硬化を発症しやすく、日本では死因の約30%以上が動脈硬化と推測されることから早期発見が必要になります。
主な原因は食の欧米化と運動不足によるもので、生活習慣病ですので私生活の見直しをすることで改善が可能な病気です。摂取カロリーが少ない時はタンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素も不足しがちになるため、栄養士とよく相談してこれらを積極的に摂取するよう心がける必要があります。

メタボリックシンドロームの診断基準はなんですか?

「腹囲が男性85cm・女性90cm以上」の条件に加えて 1.「高脂血」HDL-コレステロール値40mg/dL未満
2.「高血圧」収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
3.「高血糖」空腹時血糖値110mg/dL以上

上記のうち1~3のうち2つ以上の項目が当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。この他にも例えば、糖尿病で血糖を下げるお薬を飲んでいる方は耐糖能障害として3項目のうちの1つに含めます。

メタボリックシンドロームは遺伝しますか?

複数の遺伝要因と環境要因が組み合わさり発症すると考えられています。リスク因子である肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症ともに遺伝的背景があると指摘されているので遺伝の関係は深いといえますが上記のリスク因子それぞれの病態と独立した遺伝子の存在は解明されていません。
決して遺伝で100%決まる訳ではなく、食事の欧米化や運動不足などの環境要因に左右されると考えられます。

何人に1人がメタボリックシンドロームと診断されますか?

40~74歳を対象としたデータでは男性の2人に1人・女性の5人に1人が診断されています。該当者は960万人、予備軍者数は980万人で併せて約1,940万人と推測されています。
予備軍とは診断基準(高脂血・高血圧・高血糖)の3つの項目のうち1つが該当する場合です。

編集部まとめ

OKサイン
食事制限や運動は途中くじけそうになるかもしれませんが、そんな時はまず3週間を目標にするとその目標を達成した時に自信になり更にやる気も出て続けやすくなります。

自分の生活習慣次第で良くも悪くも変えられる病気です。今日からすぐに実行できることばかりなので、前向きに捉えて行動あるのみですね。

参考文献

メタボリックシンドローム該当者・予備群の状況(厚生労働省)

配信元: Medical DOC

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