母乳染ませたタオルで殺害「『母親なんだから』…その言葉は嫌いです」3人の子どもの遺体と暮らした女性の獄中手記

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●「何より風俗の仕事についていなければよかった」

──中絶しようとは思わなかった?

中絶はどの子でも考えましたが、Mさんによるさくしゅにてお金がなかったことが理由です。保険証もなかったですし…。

──妊娠して出産するまでの間、おなかの赤ちゃんについて何を思いながら生活していた?

ずっと『どうしよう』という思いでした。でもその中にも元気に産まれてくるかな?男かな?女かな?となってました。なんとかしなきゃとはなるんですが、なかなか行動にできませんでした。

──相談したり頼ったりできる人はいた?

ADHDの特性でもあり、頼ることが苦手で、友人関係もMさんに制限されていたので、相談できる人はいませんでした。

家族はずっと親に叱責され続けた私にとって相談できる相手ではありませんでした。

──今振り返って、「こうしておけば事件を防げたかもしれない」「こうすればよかった」などと感じることがあれば教えてほしい。

安定していた介護職を辞めてしまったことです。辞めてなければ住民票も保険証もあって、こうはなっていなかったと思います。

今となればですが、役所にかけこめば良かった、暴力をふるわれた時に110しておけば良かった、何より風俗の仕事についていなければ良かった。

視野がせまかったこと、依存してしまったことが原因です。

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●「『よく頼ってくれたね。大丈夫』それだけで救われます」

──望まぬ妊娠や赤ちゃん殺害事件を防ぐために、社会や周囲の人ができることはある?

周囲の人が気付いてあげてほしいと思いました。難しいことかもしれません。

住民票の職権削除も役所からすれば業務の1つだと思いますが、さらに追いつめられる人もいます。(私はそうでした。)忙しいとは思うけど、ちゃんと調べてほしいと思いました。

SOSを出すのが何より苦手な人達です。

相談窓口というと電話か直接が多いです。携帯が止まっている、強制解約されている人はできません。

それに「今忙しいのでは…」「こんなこと言われても困らせてしまうのでは…」と遠慮している人もいます。

相手のいいタイミングで見れるメールやラインは相談としてはまだしやすいと思います。

相談のハードルはとても高いのです。困ってなんとか相談ができても、窓口では解決しません。

「じゃあ病院に行かなきゃ」「家族と相談しなきゃ」と言われても分かってるんです。できなくて困っているから立ち止まり、どうしていいか分からず途方にくれるのです。

相談窓口から色々なサポートまでつないでくれれば、こういった事件は防ぐことができていくんじゃないかと思います。

あと、否定をしないであげてほしいです。「よく頼ってくれたね。大丈夫」それだけで救われます。頼っていいんだ…と安心するのです。

親が「困った子」と判断し叱責を続ける、心配しすぎて過保護になるは自己肯定感が低くなります。

子どもにとって親は一番の味方のはずなんです。

親が子を見ているか、気付いてあげられているか、そして気付いた時にサポートしたりそういう所へつなげれるか…それが犯罪自体の減少へつながっていくのではないかと私は考えます。

親にかぎらず、周囲の人(近所の人、幼稚園・保育園・学校の先生)も気付いてあげることができるか…ですね。

少なくともその人の生き辛さは減っていくと思います。

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