<イージードライブペダルを検証>
さて、BEVといえば、回生ブレーキのことにも触れておきたい。
回生ブレーキとはガソリン車でいうエンジンブレーキのようなもの、と考えてもらえればわかりやすいかもしれない。
eビターラには「イージードライブペダル」というモードが備えられている。これは一般的に「ワンペダルモード」などと呼ばれているもので、減速時にブレーキペダルに踏み変える必要なく、アクセルペダルだけで加減速を行って運転するためのものだ。

今回、このイージードライブペダルを一般公道で検証してみた。
センターコンソール上の物理スイッチで、オンとオフに切り替えが可能。さらには効きの強弱も「弱→中→強」と3段階に切り替えができる。
ただ、この強弱の切り替えはセンターディスプレイのメニューの中に組み込まれている。走行中に切り替えようと思っても不可能で、停車しないと操作できない。さらにはそのメニュー階層が少しばかり深いため、到達するまでに手数が必要だ。
実際のドライブシーンでは、道路状況は刻々と変わるもの。特にアウトドアユースでは、キャンプ場やフィールドへのアクセスで、市街地だけでなく郊外や山間部を走ることも多い。特に山道部にさしかかると、多様な勾配やカーブなどの道路状況は、実は頻繁に変わるものだ。

3段階を道路に合わせて切り替えれば、実に走りやすいと思うのだが、そのたびに停車してメニューから変更するというのは、正直、現実的ではないと思う。
オン・オフの物理スイッチで 「オン(弱)→中→強→オフ」 と変更できるようになったらどんなにすばらしいかと思った。
前述したようにeビターラの物理スイッチがすばらしく使いやすい設計になっているだけに、頻繁に使いたくなってしまうし、もったいないと思ってしまうのだ。
拝啓 スズキ様。技術的・コスト的に容易に可能なことであれば、ぜひお願いします!
ちなみに、パドルシフトが付いていればいいのだが、eビターラにはその設定はない。 ただこの低価格での市場投入を考えれば、それを望むのは単なるわがままでしかないと思っているので、望むことはしない。
ちなみに、このディスプレイ内のメニューの内容だが、図解やアニメーション(動くのだ)が使用され、なにを操作している画面なのかが、非常にわかりやすく設計されている。
ちなみに、シートヒーターをオンにしたときのアニメーションを参考までに載せておく。
(なんだかカッコよくて、妙に心がときめいたのは筆者だけだろうか?)
さらに開発陣によると、画面に表示されるクルマの映像も、実車と同じカラーなっているとのことで、驚いた。購入してくれたオーナーに愛着を持ってもらいたいという思いなのだそうだ。
また、各種操作をディスプレイ内に入れるか、物理スイッチとして外に出すか、の取捨選択は、徹底的に検討・熟慮したとのこと。たとえば、通常物理スイッチが採用されるシートヒーターは、ディスプレイ内に移されている。 筆者個人としては、この選択でもまったく問題ないと感じた。
このように、総じてユーザーそれぞれの使用頻度や使いやすさによって左右されるものなので、何が正解かは簡単ではないだろう。開発陣の苦労と努力、そして熱意を感じる部分だ。
<ドライブモードで試してみたら…>
そこで考えたことがある。eビターラには「エコ・ノーマル・パワー」の3種類のドライブモードが備わっている。しかもこれも物理スイッチが採用されているのだ。
イージードライブペダルの強弱の切り替えの代わりに、これを切り替えて走ってみればいいのでは?と考え、試してみた。 イージードライブペダルをオン、そしてオフでのエコ・ノーマル・パワーの4種類の比較だ。

<加速>
イージードライブペダル強 > スポーツモード
加速はイージードライブペダルのほうが効きが強い .
<減速>(回生ブレーキ)
スポーツモード > イージードライブペダル強
加速とは逆になる。
イージードライブペダルよりスポーツモードのほうが回生ブレーキが効く。
これはあくまでも、代案として加減速の効き具合を試してみたというだけで、本来のイージードライブペダルの主旨とは違う。また効きの強弱も筆者の印象でしかないので、あくまで余談として読んでいただければ幸いだ。
ちなみに、ドライブモードの印象についても触れておきたい。
基本的に、市街地ではエコモードであっても加速は十分に感じられる。スポーツモードでは逆に加減速はかなり強い。ノーマルモードで使っていれば、どのシーンでもeビターラの走りの良さを享受できるという印象。
また、イージードライブペダルについては、他のBEVにすでに乗っているユーザーは、効きがマイルドに感じると思う。だが、このクルマの存在意義、使われ方を考えると、強烈なセッテイングをあえて行っていないことが、逆にクルマとしての総合的な良さになっていると思う。スズキのクルマには「普段使い」という言葉がいつも思い浮かぶ。

