自宅サロンを営むネイリストの敦美は、ママ友・蘭子から「友達でしょ?」と強引にジェルネイルのオフを頼まれる。無料に近い約束で引き受けるが、当日蘭子は遅刻。さらに無礼な態度で、一円も払わず去っていく。
自宅でネイルサロンを営む
こんにちは、敦美です。34歳、一児の母をやりながら、自宅の小さな一室でネイルサロンを営んでいます。夫の光義は「無理のない範囲でね」と応援してくれているし、4歳の娘・ももねも、私の仕事道具を「キラキラしててきれい!」と喜んでくれる。
そんな平穏な日常に、ある日スッと入り込んできたのが、幼稚園のママ友・蘭子さんでした。
「ねえ敦美さん、指先いつもきれいよね。あ、やっぱりプロだもんね!」
園の送り迎えで声をかけてきた蘭子さんは、33歳の華やかな女性。でも、その爪先は少し浮き上がったジェルネイルが痛々しく残っていました。
「これ、前に行ってた店が遠くてさ。ねえ、オフだけパパッとやってくれない? 友達でしょ?」
簡単に「やって」とお願いしてくるママ友
ネイリストなら、この言葉の重みがわかるはずです。オフは一番神経を使う作業。自爪を傷めないように慎重に削り、アセトンで溶かし、また整える。粉は舞うし、時間はかかるし、正直言って一番「やりたくない」工程なんです。
「オフだけっていうのも、実は結構手間がかかるんだけど……」
「えー! 削るだけでしょ? 道具はあるんだし、ついででいいのよ。タダでなんて言わないわよ、今度お菓子持っていくから!」
押し切られる形で、私は承諾してしまいました。それが悲劇の始まりだとも知らずに。

