当時、大学の卒業旅行で一人旅に出た私は、アメリカ西部からカナダ方面を目指して車で北上していました。
体調不良と疲労が限界に
旅の始まりから体調はすぐれず、疲労も少しずつ蓄積していきました。特に、北部の国立公園を走っていたときは疲れがピークに達していました。
何時間も車を走らせても、すれ違う車は一台もなく、どこまでも続く一本道。広大な自然と静けさは心地よくもありましたが、次第に強い眠気に襲われていきました。
もう少しだけ…
休める場所も見当たらず、「もう少しだけ走ろう」と自分に言い聞かせながら運転を続けていた、そのときでした。
ふと気が付くと、目の前には湖が迫っていました。慌ててハンドルを切り、なんとか道路に戻りました。ほんの一瞬、意識が飛び、居眠りしていたようで、気付けば車線を外れていたのです。

