「厳しくなった」のではなく「処理の仕方が変わった」
今回の新制度、一見すると、自転車の取り締まりが急に厳しくなったように感じるかもしれません。しかし、実際には、取り締まりが厳しくなったり、取り締まりの考え方が大きく変わったりしたわけではありません。警察庁が公開するルールブックでは、自転車の交通違反に対しては基本的に指導警告を行い、交通事故の原因となるような悪質、危険な違反は検挙するという基本的な考え方は、青切符の導入前後で変わらないとされています。
変わったのは、検挙された後の処理です。これまでは重い刑事手続きが前提だったため、違反した側にとっても、対応する警察側にとっても負担が大きい仕組みでした。現在は、一定の違反については青切符と反則金で処理されるため、流れがあらかじめ明確になり、より簡潔に処理されるようになったと考えると理解しやすいでしょう。
具体的にどのような行為が対象になるのか
ここで押さえておきたいのは、「新しい違反」が増えたわけではないという点です。これまでも違反とされてきた行為のうち、日常的に起こりやすく、事故につながりやすいものが青切符の対象として整理されています。警察庁の説明でも、自転車の反則行為は、信号無視や指定場所での一時不停止など、警察官がその場で明らかに違反と判断できる行為が中心とされています。
主な違反行為と反則金は次の通りです。
・信号無視:6000円
・一時停止違反:5000円
・車道の右側通行(逆走):6000円(※自転車は原則として左側通行)
・スマホを手に持って通話したり画面を見たりする、いわゆる「ながら運転」:1万2000円
・傘差し走行、イヤホンをしながら走行:5000円
・夜間の無灯火やブレーキ不良の自転車での走行:5000円
・遮断機が下りた踏切への立ち入り:7000円
こうした違反は特別な行為ではなく、日常の延長線上で起きやすいものですが、事故に直結しやすいため重点的に取り締まられています。実際に、信号無視や一時停止違反は検挙の大半を占めています。
一方で、すべての違反が直ちに反則金の対象になるわけではありません。例えば歩道を通行しているだけの場合は、従来通り指導警告が基本とされており、直ちに取り締まりの対象になるわけではありません。
ただし、歩道で速度を出して歩行者に危険を及ぼした場合や、警察官の警告に従わない場合などは、取り締まりの対象となることがあります。
なお、酒酔い運転や酒気帯び運転、妨害運転、携帯電話の使用によって実際に交通の危険を生じさせた場合などの重大な違反については、青切符ではなく、これまでどおり刑事手続きで処理されます。
