「もう夫から逃げられない…」やっと家を出られると思ったら夫が…!?私が絶望的になったワケ

「もう夫から逃げられない…」やっと家を出られると思ったら夫が…!?私が絶望的になったワケ

10代で両親を亡くした沙織の夢は、温かい家族を築くことでした。母子家庭で育った夫の守もまた、家庭に憧れを抱いており、本当に優しく穏やかな人でした。そんな彼と結婚すれば、理想の家庭を築けると信じていた沙織。しかし――彼女は、いつからか誰のことも信じられなくなっていったのです……!?


夫・守の言葉を信じて会社を退職した沙織。息子が生まれ、守の「家族のため」という優しさに、次第に息苦しさと違和感を感じていました。そんな中、元同僚と再会し、守が周囲に「沙織は産後うつだから会えない」と話していたと聞かされます。違和感が疑念へと変わっていきました。


しかし、そのことを守に問い詰めると、「沙織を退職に追い込んだ同僚の嘘だ」と真っ向から否定。「俺を信じるよな?」と問われ、沙織はどちらを信じるべきかわからなくなってしまいます。


悩みを聞いてくれる隣人の大山さんの助言もあり、沙織は現状を変えようと再就職を決意。守は反対しますが、沙織は自分の意思を貫くことにしました。


しかし、面接の前日に、スーツが消えていました。守が「破れていたから」と処分していたのです。さらに、伝えていないはずの面接日を知っており、沙織は面接をキャンセルせざるを得ませんでした。


一体どうやって面接日を……? 再就職を相談していた義母は話していないと言い、夫は隣の大山さんとは「挨拶だけ」と話します。しかし後日、沙織はマンションで守とその大山さんが親しげに話す姿を目撃。「どうして2人が……」と、心臓がドキドキします。


誰のことも信じられなくなった沙織ですが、月曜日に荷造りをして、火曜日に家を出ようと改めて決意。月曜日は準備の1歩として、守が仕事に出発した直後、タンス預金のありかへ直行しますが――!?

逃走計画を立てる私に起こった恐怖の出来事

完璧な結婚/きりぷち


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夫の守が、隣人の大山さんと笑顔で話している。その光景を目撃した沙織は、動揺を隠せません。守が何か入った紙袋を大山さんに手渡すのを見て、2人の関係をいぶかしむ沙織の胸は高鳴ります。


義母、隣の大山さん、そして元同僚の恵美と杏奈……。もう誰も信じられないと、沙織は混乱します。しかし、家を出るのは明後日。今はただ計画を遂行し、息子の晴人と家を出てからすべてを考えようと思い直しました。


けれども、沙織が家を出るのは明後日。誰も信じられなくても、晴人と家を出て、考えるのはそれからだと思い直しました。


翌日の月曜日。守が仕事に出発したのを見計らい、沙織は計画通り、荷造りの準備を始めます。まず、逃走資金としてキッチンに隠しておいた現金を取りに向かいました。


しかし……そこに隠しておいたはずのお金がありません。


そのとき「探し物?」と背後から声が。忘れ物をしたと言って、守が家に戻ってきていたのです。


「あわてて何してるの?」と笑顔で尋ねる守に、沙織はとっさに「買い物に行くから、調味料が少ないか調べてた」と嘘をつきます。「そっか。今夜は煮魚が食べたいな」と言う守に「じゃあ、タラの煮つけにするね」と沙織。沙織は平静を装って声を絞り出すのがやっとでした。


「いいね」とだけ言って守は再び家を出ていきました。残された沙織は、守がすべてを知っているのだと悟り、床に座り込んだまま震えが止まりません。


もはや、この家から逃れることはできない──。


「私はもう……守から逃げられない……!」


沙織は涙を流しながら頭を抱え、打ちひしがれるのでした。


◇ ◇ ◇


「誰にも頼れない」という孤独感は、ときに人を絶望させるのではないでしょうか。しかし、どんなに小さなことでも打ち明けられる味方が一人いるだけで、見える景色は変わるはず。諦めずに外部とのつながりを求めるその勇気が、未来を変えるための大切な第一歩になるのかもしれません。つらいときこそ、冷静に立ち止まり、勇気が振り絞れるといいですね。

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著者:マンガ家・イラストレーター きりぷち

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