膵臓がんの主な原因
遺伝的背景
膵臓がん患者の数%は遺伝的要因が関与します。家族に複数の患者がいる場合や、遺伝性膵炎などが原因となり得ます。こうした背景がある方では、若い頃からの定期的な膵臓検診が効果的な予防策となります。
生活習慣(喫煙・飲酒・食事)
喫煙はリスクを2倍以上に高める明確な原因です。多量飲酒は慢性膵炎を介して間接的にリスクを上げます。また、肉食・高脂肪食中心の食事は膵液の分泌負担を増やし、悪影響を及ぼす懸念があります。野菜や果物を摂るバランスの良い食生活が重要です。
基礎疾患の影響
代表例は慢性膵炎と糖尿病です。慢性膵炎は長期の炎症により遺伝子ダメージが蓄積し、がんに至ることがあります。糖尿病は発症リスクであるとともに、がんの結果として現れることもあります。また、一部の膵嚢胞(IPMNなど)は放置するとがんに進展し得るため、定期的なフォローが必要です。
「膵臓がんの早期発見」についてよくある質問
ここまで膵臓がんの早期発見について紹介しました。ここでは「膵臓がんの早期発見」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
膵臓がんを早期発見することは難しいのでしょうか?
齋藤 雄佑(医師)
非常に難しいのが現状です。膵臓がんは「沈黙の臓器」と言われる膵臓にできるため、初期症状がほとんどなく、自覚症状で気づくのは困難です。さらに膵臓が体の奥深くにあるため、普通の腹部エコーやレントゲンでは小さな病変を捉えにくいという問題もあります。その結果、症状が出てから見つかる頃には進行している場合が多いのです。現状、国が推奨するがん検診にも膵臓がんは含まれておらず、一般的なスクリーニング手段が確立していません。しかし近年ではMRIやEUSなど性能の高い検査を組み合わせることで、従来よりも小さい膵臓がんを見つけられるケースも出てきました。難しいことに変わりありませんが、リスクの高い方が積極的に検査を受けることや、医療機関での注意深い診察によって完全に不可能ではないと言えます。
まとめ 膵臓がんのリスク因子を理解し早期発見を!
膵臓がんは早期発見が特に難しく予後も厳しいがんですが、近年の医療の進歩により、小さな膵臓がんを捉える手段が増え、治療成績も少しずつ向上しています。早期に見つけて手術・治療ができれば5年生存率が大きく向上し、中には完治する患者さんもいます。そのためには、膵臓がんになりやすいリスク因子をお持ちの方は積極的に検査を受けること、また一般の方も日頃から生活習慣を整え症状に注意を払うことが大切です。軽微な体調の変化でも、長引く場合は遠慮せず医療機関で相談しましょう。膵臓がんは専門的な検査をしなければ診断が難しいため、患者さん自身の心構えと早めの受診がカギを握ります。膵臓がんの治療法は日進月歩で改良されていますので、希望を捨てず専門医と十分に相談して最膳の治療を受けてください。膵臓がんは早期発見・治療が何より重要です。
「膵臓がん」に関連する病気
「膵臓がん」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系の病気
慢性膵炎膵嚢胞性疾患
リンチ症候群家族性膵臓がん
遺伝性膵炎
ポイツ・ジェガース症候群
内分泌系の病気
糖尿病遺伝性の疾患だけでなく、生活習慣に関わる疾患が膵臓がんのリスクになるため、普段から生活習慣の是正を意識しましょう。
「膵臓がん」に関連する症状
「膵臓がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
膵臓がんのサイン
背部痛
心窩部痛
黄疸
食欲不振
体重減少
全身倦怠感
膵臓がんに特徴的な症状はありませんが、体調の異変を感じればすぐに病院を受診してください。
参考文献
国立がん研究センター がん情報サービス 膵臓がん
膵癌診療ガイドライン2022
Pancreas 2012; 41: 985-992. doi:10.1097/MPA.0b013e318258055c
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