介護タクシーは、通院や転院だけでなく、買い物や外出、冠婚葬祭への参加など、さまざまな場面で利用できる移動手段のひとつです。そのなかで「1日貸切で利用できるのか?」「長時間の付き添いはできるのか?」と疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では介護タクシーは1日貸切できるのかについて以下の点を中心にご紹介します。
介護タクシーのサービス内容
介護タクシーの利用対象者
介護タクシーを貸切利用するメリット
介護タクシーは1日貸切できるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
介護タクシーの基礎知識

介護タクシーのサービス内容を教えてください
介護タクシーは、単に目的地まで送迎するだけでなく、外出に伴うさまざまな介助を受けられる移動サービスです。一般のタクシーとの大きな違いは、乗務員が介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)などの介護資格を有している点にあります。
そのため、乗降時のサポートはもちろん、外出前後の身支度や移動時の見守りなど、利用者の身体状況に配慮した支援が行われます。
公的介護保険が適用される通院等乗降介助に該当する場合、利用する目的は日常生活や社会生活に必要な外出に限られます。一方で、仕事や観光、娯楽目的での利用は原則認められていません。
サービス内容は、出発から帰宅まで一連の流れを通じて提供されます。例えば、自宅での外出準備の手伝い、玄関から車両までの移動介助、乗降サポート、目的地到着後の院内移動の付き添いなどが挙げられます。帰宅時には、室内までの移動介助や必要に応じた更衣介助などに対応するケースもあります。
介護タクシーと福祉タクシーの違いを教えてください
介護タクシーと福祉タクシーは、いずれも移動に支援が必要な方を対象としたサービスですが、利用条件やサービス範囲、費用負担の仕組みなどに明確な違いがあります。
まず大きな違いは、介護保険の適用有無です。介護タクシーのうち、介護保険が適用される“通院等乗降介助”は、要介護1~5の認定を受けている方のみが対象で、通院や行政手続きなど日常生活上必要な外出に利用目的が限定されます。ケアプランに基づいてサービスが提供されるため、事前にケアマネジャーによる調整が必要です。なお、保険が適用されるのは乗降介助などの介護サービス部分であり、運賃(輸送費)は自己負担となります。
一方で、介護保険適用外の介護タクシーは、単独での移動が難しい方であれば要介護認定がなくても利用でき、外出目的の制限もありません。ただし費用は全額自己負担となります。
福祉タクシーは、身体障害や病気、けがなどにより公共交通機関の利用が難しい方を対象とした移動サービスで、利用目的の制限は設けられていません。介護保険は適用されませんが、自治体によっては助成制度を利用できる場合があります。ドライバーは二種免許を保有していますが、介護資格は必須ではなく、基本的には移動支援が中心となります。
また、介助内容にも違いがあります。介護タクシーは、乗降時のサポートに加え、院内付き添いや外出前後の身支度介助など、より生活支援に踏み込んだサービスを受けられます。対して福祉タクシーは、車いすのまま乗車できる車両設備は整っているものの、介護行為そのものは原則含まれません。
介護保険が適応されない介護タクシーを教えてください
介護保険が適用されない介護タクシーは、いわゆる保険適用外の介護タクシーや福祉タクシーを指します。要介護認定を受けていなくても利用でき、歩行や公共交通機関の利用に不安がある方など、幅広い対象者の利用が可能とされています。
介護保険タクシーのように利用目的の制限はなく、通院のほか、買い物や冠婚葬祭、旅行、趣味活動など私的な外出にも対応しています。一方で、介護保険は適用されないため、運賃や介助料などの費用は全額自己負担となります。
また、家族や付き添い者が同乗できる点も特徴です。なお、私的な外出や単なる送迎、ケアプランに位置づけられていない利用などは介護保険の対象外となるため、こうした保険適用外サービスの利用が選択肢となります。
介護タクシーの利用条件と使い方

介護タクシーの利用対象となるのはどのような方ですか?
介護保険が適用される介護タクシーは、要介護認定を受けている方を対象としたサービスです。要介護1~5に認定され、自宅をはじめ、有料老人ホームやケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などで生活している方が利用できます。
車両には、車いすのまま乗車できるリフト付き車両やスロープ付き車両など、身体状況に配慮した設備が整えられており、公共交通機関を単独で利用することが難しい方の移動手段として活用されています。通院や手続きなど、日常生活に必要な外出を支える役割を担っています。
なお、“要支援”と認定されている方は利用対象に含まれないため、利用を検討する際は自身の介護認定区分を事前に確認しておくことが大切です。
介護タクシーの主な利用目的を教えてください
介護保険が適用される介護タクシーは、どのような外出にも利用できるわけではなく、日常生活上または社会生活上必要な行為に伴う外出に限って利用が認められています。これは、移動そのものではなく、生活を維持するために必要な行為を支援することが目的とされているためです。
先述のとおり、医療機関への通院やリハビリの受診は代表的な利用例に挙げられます。加えて、補装具や補聴器、眼鏡など、本人が直接出向いて調整や購入を行う必要がある場合の外出にも利用できます。また、金融機関での預金引き出しや、役所での申請や届け出、選挙の投票といった、公的手続きに関わる外出も対象に含まれます。

