縄文の美、弥生の美
最後に、この「二つの美」をこう定義してみましょう。
──縄文の美は、いわば「いのちの熱量」そのもの──
目に見えない自然の力を敬い、内側から溢れ出すエネルギーをそのまま土に託した、力強くも切実な祈りの造形。
──弥生の美は、控えめで洗練された「機能美」──
秩序ある日々の中で、使いやすさや美しさを追求してたどり着いた、余計なもののない、清らかで知的な造形。
荒々しいまでのパッションと、研ぎ澄まされたクールな感性。この相反する二つの美意識が、私たちの心の中で絶妙に溶け合い、重なり合っています。
縄文のダイナミックな「ドキドキ」と、弥生の端正でしなやかな「ときめき」。 あなたは、どちらの原始の美に心惹かれますか?
◆参考図書
縄文文化が日本人の未来を拓く 小林達雄 徳間書店
再考!縄文と弥生 国立歴史民俗博物館・富士夫慎一郎(編) 吉川弘文館
日本美術の歴史 辻惟雄 東京大学出版界
