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「胃腸炎を治す薬」はあるの?処方薬・市販薬の成分と効果も解説!【医師監修】

「胃腸炎を治す薬」はあるの?処方薬・市販薬の成分と効果も解説!【医師監修】

胃腸炎は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などが突然現れる身近な病気です。症状がつらいと、薬を飲めば早く治るのではないか、病院で処方される薬と市販薬のどちらを選べばよいのかと迷う方も多いでしょう。しかし、胃腸炎は原因によって経過や治療の考え方が異なり、薬の役割も一様ではありません。多くの場合、胃腸炎そのものを治す薬がなく、症状を和らげながら回復を待つ対応が中心となります。また、下痢止めや吐き気止めなどは使い方を誤ると、症状の長期化につながることもあります。

この記事では、胃腸炎の症状を緩和する薬の種類や成分、処方薬と市販薬の違い、薬が使えない場合の対処法を解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

胃腸炎の症状を緩和できる薬の種類

胃腸炎の症状を緩和できる薬の種類

胃腸炎とはどのような病気ですか?

胃腸炎は、胃や腸に炎症が起こることで、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れる病気です。原因としては、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス、細菌、寄生虫の感染が代表的です。食事や水を介して感染する場合や、吐物や便を介した接触によって広がることもあります。また、暴飲暴食やアルコール、薬の影響、強いストレスなどが関与する非感染性の胃腸炎もあります。

胃腸炎自体を治せる薬はありますか?

多くの胃腸炎は、病気そのものを直接治す薬は用いられません。特にウイルス性胃腸炎は、原因となるウイルスを排除する特効薬はなく、症状が自然に軽くなるのを待つ対応が中心です。そのため、治療の基本は、失われた水分や電解質を補いながら、吐き気や下痢などのつらさを和らげることです。細菌性胃腸炎の場合には、症状や経過によって抗菌薬が使われることもありますが、すべてのケースで必要にはなりません。薬はあくまで回復を支える手段であり、体調や原因に合わせた使い分けが重要です。

胃腸炎による吐き気や嘔吐を抑えられる薬の成分を教えてください

胃腸炎による吐き気や嘔吐に対して使われる成分には、メトクロプラミドとドンペリドンがあります。これらの成分は、胃や腸にあるドパミンD2受容体の働きを抑えます。ドパミンD2受容体が刺激されると胃腸の動きが弱まりますが、その作用を抑えることで、弱っていた胃や腸の動きが促され、内容物を先へ送り出しやすくなります。

また、これらの成分は、吐き気を感じる仕組みに関わる延髄にある化学受容器引き金帯(CTZ)にも作用します。CTZは、血液中に含まれる薬剤や炎症によって生じた物質などを感知し、嘔吐中枢へ吐き気の信号を送る部位です。胃腸炎は、消化管の炎症による刺激が主に吐き気を引き起こしますが、体内の状態によってはCTZを介した刺激が加わることもあります。

メトクロプラミドやドンペリドンは、CTZでのドパミンの作用を抑えるとともに、胃腸の動きを整える働きを持ちます。そのため、胃や腸への刺激がやわらぎ、嘔吐中枢へ伝わる吐き気の信号が過剰に出にくくなります。こうした作用が組み合わさることで、吐き気や嘔吐がやわらぎやすくなります。

胃腸炎による下痢を治す薬はありますか?

下痢は、胃腸炎の原因となる病原体や不要な物質を身体の外へ排出するために起こる反応です。そのため、下痢そのものを止める薬が使われるとは限りません。腸内の状態を整える整腸剤は、腸の働きを支えながら、下痢が自然に落ち着くのを助ける目的で使われることがあります。一方で、腸の動きを強く抑える下痢止めは、下痢によって外へ出そうとしている原因となる物質が腸内に残り、症状が長引くことがあるため、感染性胃腸炎では使われない場合が多いです。

胃腸炎の薬を入手する方法

胃腸炎の薬を入手する方法

胃腸炎で病院を受診すると薬を処方してもらえますか?

多くの場合、治療の中心となるのは水分と電解質の補給です。そのうえで、症状に応じて薬が使われます。下痢に対しては整腸剤が選ばれることがあり、吐き気や嘔吐が強い場合には吐き気止めが用いられます。腹痛が目立つときには、腸の緊張を和らげる薬が処方されることもあります。また、発熱がつらい場合には解熱鎮痛剤が使われることがあります。一方で、抗菌薬はすべての胃腸炎に使われるわけではありません。細菌性胃腸炎が疑われ、発熱や血便などの症状がみられる場合に、検査結果や全身の状態を踏まえて判断されます。

胃腸炎の治療薬はドラッグストアなどで入手できますか?

胃腸炎に関連する薬のなかには、ドラッグストアなどで購入できる市販薬もあります。整腸剤や、軽い吐き気や胃の不快感を和らげる成分を含む薬は、入手しやすいです。こうした市販薬は、症状が軽く、食事や水分がある程度摂れている場合に、症状を緩和する目的で使われます。

市販薬と処方薬の違いを教えてください

市販薬と処方薬の大きな違いは、使用できる成分の種類や強さ、想定される使用場面にあります。処方薬は、医師が症状や体調、年齢、ほかの病気や服用中の薬を考慮したうえで選択するため、より個別性の高い対応が可能です。吐き気が強く脱水が心配な場合や、症状が重い場合には、処方薬による対応が望ましいです。一方、市販薬は、軽い症状を想定して作られており、誰でも購入できる反面、使いどころを見極めることが大切です。

配信元: Medical DOC

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