立場が上になったような夫の言動
すると、彼は私の表情を見て、これ以上揉めるのは面倒だと思ったのか、大仰に肩をすくめて言ったのです。
「……はあ~なんだよその顔。もういい、わかった。150万は家計ね。どうせこれ以上言っても納得しないんだろ?」
「譲ってやる」。その言葉が鼓膜に触れた瞬間、胸の奥がチリッと焼けつくような感覚を覚えました。しかしそんな私の気持ちをよそに、祥太は続けます。
「もっと感謝してほしいよ。俺が折れなかったら家計は潤わなかったんだし。俺っていい夫だよな~」
確かに、手続きをして買い続けたのは彼です。でも、原資は私たちが必死にやりくりして捻出した家族のお金。なぜ私が、彼の慈悲によって「分け前を譲ってもらった側」のような卑屈な顔をしなければならないのでしょうか。
当選金の輝きが、少しずつ濁っていくのを感じていました。
あとがき:「譲ってやる」という呪いの言葉
対等なパートナーであるはずの夫婦間で、どちらかが「譲ってやる」と口にした瞬間、そこには上下関係が生まれてしまいます。祥太なりの歩み寄りのつもりかもしれませんが、その根底にあるのは「俺が稼いだ(当てた)金」という傲慢さ。理詰めでは言い返せない、けれど胸の奥がチリチリと焼けるような汐里の屈辱感は、多くの女性が既視感を覚えるリアルな痛みです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:糸野内たおる
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

