私がある職場でチームをまとめる立場にいたころの出来事です。部署には、私より年上でありながら部下として配属された男性がいました。高い学歴を持つエリートでしたが、仕事ぶりや周囲への態度には少し気になるところがありました。その出来事は、チーム全体にとって忘れられない経験になりました。
高学歴を誇る年上の部下
職場のAさんは私より年上でしたが、中途入社で、私の部下という立場でした。国内でも有名な大学を卒業し、博士号を取得した経歴の持ち主です。ただ、Aさんは自分の学歴についてよく話す人で、誰かの仕事に意見するときには、決まって「自分はこの大学でこの分野を専攻していたので、よくわかるんですよ」といった言い方をしていました。
しかし、実際の仕事はというと、提出までに時間がかかることが多く、ミスも少なくありませんでした。それでも部署では年長者ということもあり、Aさんに対して厳しいことを言う人はほとんどいませんでした。
報告書へのひと言に、思わず反応
ある日、チーム全員で大変な作業を重ねて、ようやく一つの報告書を完成させました。時間をかけて作り上げた資料だったので、メンバー全員がほっとしていたところです。そのとき、Aさんが報告書を手に取り、少し目を通して「この部分は直したほうがいいだろう」と言いました。
実はAさんも、この報告書作成チームの一員でした。ただ、作業の過程でほとんど協力的な姿勢が見られなかったため、途中からチームの作業には関わらなくなっていました。そのひと言を聞いた瞬間、正直なところ、少し感情が揺れました。そこで私はこう返しました。
「ご指摘ありがとうございます。ではAさん、この報告書を3時間ほどで修正してもらえますか。できますよね?」
するとAさんは少し間を置き、「いや、よくできていると思いますよ。自分の指摘は大したことではないです」と言って、その場を離れていきました。

