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多系統萎縮症のケア方法|症状別の対応と介護のポイントを解説

多系統萎縮症のケア方法|症状別の対応と介護のポイントを解説

多系統萎縮症と診断されると、現れる症状や日常生活で必要となるケアに不安を感じる方は少なくありません。進行に伴い運動機能や自律神経機能へ影響が広がるため、本人だけでなく、家族や介護者も正しい知識を早期に把握し、医療や介護、制度を含めた支援体制を整えることが重要です。

本記事では、多系統萎縮症のケア方法について、以下の点を中心に解説します。

多系統萎縮症の主な症状と進行に伴う変化

症状別にみる日常生活での具体的なケア方法

介護を続けるうえで知っておきたい支援制度や介護のポイント

多系統萎縮症と向き合うご本人やご家族が、今後の生活を考える際の参考としてお役立ていただければ幸いです。ぜひ最後までお読みください。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

多系統萎縮症の症状やケア方法

多系統萎縮症の症状やケア方法

多系統萎縮症とは何ですか?

多系統萎縮症とは、脳や脊髄の神経細胞が徐々に障害を受け、運動機能や自律神経機能などに影響が現れる進行性の神経変性疾患です。発症の原因は明確には解明されておらず、現時点では病気そのものの進行を止める根治療法は確立されていません。

本疾患の特徴として、パーキンソン症状・小脳失調・自律神経障害などの複数の神経系統にまたがる症状が重なって現れる点が挙げられます。これらは単独ではなく、経過とともに組み合わさりながら進行することが多いとされており、日常生活動作に幅広い影響を及ぼす場合があります。

また、多系統萎縮症は国の指定難病(指定難病17)に位置づけられており、一定の要件を満たす場合には医療費助成制度の対象となります。早期から医師による診断を受け、継続的な医療・介護支援体制を整えることが、生活の質を維持するうえで重要と考えられています。

多系統萎縮症の症状にはどのような特徴がありますか?

多系統萎縮症は、障害を受ける神経の部位に応じて、運動機能や自律神経機能に関連する複数の症状がみられます。

主な症状例は以下のとおりです。

・手足の震え、動作の遅れ、筋肉のこわばり(パーキンソン症状)
・歩行時のふらつき、ろれつの回りにくさ(小脳失調)
・起立性低血圧、発汗異常、排尿障害、便秘(自律神経障害)
・睡眠時の呼吸障害、声のかすれ

これらの症状は個人差が大きく、進行の速さや現れ方もさまざまです。
そのため、症状ごとの状態を把握し、生活環境や身体状況に合わせた支援を検討していくことが重要とされています。

症状の進行をゆるやかにする方法はありますか?

多系統萎縮症の進行そのものを止める治療は現段階では確立されていませんが、症状を和らげ、生活機能の低下をできるだけゆるやかにするための対症療法やケアが行われています。

主な支援内容には、次のような取り組みがあります。

・歩行訓練やバランス訓練、発声練習などのリハビリテーション
・起立性低血圧に対する弾性ストッキングの使用や生活動作の工夫
・排尿障害・嚥下障害への個別対応(医療・介護職の連携)
・栄養状態の管理や住環境調整など生活面の支援

これらを症状や生活状況に応じて組み合わせながら支援を行います。早期から多職種で支える体制を整えることが、本人の負担軽減や生活の安定につながると考えられています。

症状別|日常生活での具体的なケア方法

症状別|日常生活での具体的なケア方法

歩行障害やふらつきがある場合のケアを教えてください

歩行障害やふらつきがみられる場合、家族や介助者はまず転倒事故の予防を優先的に考えた支援を行う必要があります。

自宅内では、つまずきの原因となる段差や敷物を見直し、廊下やトイレ、浴室など移動頻度が高めな場所に手すりを設置すると安全性の向上が期待できます。特に夜間は視界が低下しやすいため、足元灯やセンサーライトの活用も有効とされています。

歩行時は無理に急がせず、本人のペースに合わせて見守ることが基本です。必要に応じて杖や歩行器などの福祉用具を取り入れることで、身体の安定性が高まり転倒リスクの軽減につながります。

また、筋力低下やバランス機能の衰えが背景にある場合、医師や理学療法士の指導のもとでリハビリテーションを行うことで、歩行能力の維持や転倒リスクの軽減につながります。

排尿・排便など自律神経症状への対応を教えてください

排尿・排便に関する自律神経症状がみられる場合、本人の羞恥心や心理的負担に配慮しながら、生活リズムを整える支援が求められます。

代表的な方法として、一定時間ごとにトイレへ誘導する定時排泄があり、失禁予防や排泄リズムの安定に役立つとされています。
また、水分摂取量が不足すると、便秘や尿路感染症の一因となることがあるため、医療的制限がない範囲でこまめな水分補給を促すことも大切です。

衣類は着脱しやすい前開きやウエストゴムのものを選ぶことで、排泄動作の負担軽減につながります。
便秘の傾向がある場合は、食物繊維の摂取、適度な運動、腹部マッサージなど生活面の工夫を取り入れます。

それでも改善が難しい場合は、下剤の使用や治療の必要性も含め、医療機関への相談が望ましいでしょう。

嚥下障害や食事のケアで注意することはありますか?

嚥下障害がある方の食事ケアは、誤嚥や窒息を防ぎながら安全に栄養を確保する視点が欠かせません。
食事姿勢が重要で、椅子やベッド上で上体を起こし、顎を軽く引いた状態を保つことで、食べ物が気道へ入りにくくなるとされています。

食形態は嚥下機能に応じて調整し、刻み食、ペースト食、ミキサー食など段階的に変更します。
水分はそのままではむせ込みやすいため、とろみ剤を使用して、誤嚥の予防につなげる工夫も行われています。

また、ひと口の量を少なめにし、十分に嚥下を確認してから次のひと口へ進むことが安全確保につながります。
食後すぐに横になると誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、主治医や言語聴覚士の指導に基づき30分程度は座位を保つことが推奨される場合もあります。
嚥下機能の変化がみられる際は、早めに医療機関へ相談しましょう。

配信元: Medical DOC

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