蘭子の触れ回りにより、敦美は園内で孤立。「友情より金」という悪評が広まり、唇を噛み締める日々。反論できず追い詰められたその時、物静かなママ友・奏斗くんママが、蘭子の主張を一刀両断する正論を放つ。
幼稚園で噂になっていた昨日のできごと
翌朝、幼稚園の園庭で立ち話をしていたママ友たちの輪から、不自然に私の姿が避けられました。中心にいたのは、もちろん蘭子さんです。
「……そうなのよ。本当の友達なら、困ってる時に融通利かせてくれるはずでしょ? なのに、プロだからってふっかけてきて。結局、友情よりお金なのよね、あの人」
彼女の声は、私に聞こえるようにわざと大きく響いていました。周りのママたちは、困ったように愛想笑いを浮かべたり、視線を逸らしたりしています。
私のしたことは間違っていた?
私はももねの手を握りしめ、足早にその場を去ろうとしました。でも、胸の奥がギュッと締め付けられる。私が今まで積み上げてきたネイリストとしてのプライドが、根拠のない噂で泥を塗られていく。
(私が間違っていたのかな。少しくらいサービスすれば、こんなことにはならなかったの?)
一人で悩んでいた時、追い打ちをかけるように蘭子さんが声をかけてきました。
「あら敦美さん、おはよう。みんなに言ってたのよ、商売上手ねって」
「蘭子さん、誤解を招くような言い方はやめて。私は適正な価格を提示しただけよ」
「適正? 友達から数千円もぼったくるのが? だったらもう『友達』なんて名乗らなきゃいいのに」
周囲の視線が突き刺さる。私は何も言い返せず、唇を噛み締めました。

