事件から一週間。弁償金が支払われ、みちるはあたらしいシール帳を手にする。謝罪を受け入れた娘の純粋さに、千里は教えられる。ママ友とは距離ができたが、子どもたちは少しずつ歩み寄り、またあたらしい思い出を紡ぎ始める。
わが子から学ぶ強さ
事件から一週間がたちました。
2人の親からは、後日、詳細なシールのリスト(みちると私と雅也が記憶をたよりに作成したもの)に基づいた弁償金が、現金で支払われました。
かなりの金額になりましたが、彼女たちは「当然の報いです」と潔く受け入れてくれました。
「ママ〜!見て! あたらしいシール帳!」
みちるは、あたらしく買い直したシール帳に、のこったシールやあたらしく買ってもらったシールを、丁寧に貼っています。
「リナちゃんとななかちゃん、すごくおこられたんだって。今日、学校で2人とも泣きながらあやまってくれたよ。だから、みちるゆるしてあげたの」
娘の強さと純粋さに、私の方が教えられる思いでした。
子どもの「善悪」との向き合い方をどう教えるか
子どもはまだ、「善悪」の境界線があいまいなことがあります。
「ほしい」という欲求が、理性を上回ってしまうこともあるでしょう。
でも、うしろめたい気持ちがあるからこそ、彼女たちはウソをつき、かくそうとした。その小さな「罪悪感」を、親がどうひろい上げ、教育につなげるかが重要なのだと痛感しました。
雅也は、あたらしくなったシール帳のうら表紙に、油性ペンで大きくみちるの名前を書きました。
「これで、もう、まいごにならないな」
「うん! パパ、ありがとう!」
リナちゃんとななかちゃんとの関係は、以前とまったく同じとはいきません。ママ友同士の集まりも、今は少し距離をおいています。
でも、子どもたちは学校で、また、少しずつ距離を縮めているようです。
あやまちを犯さない人間はいません。大切なのは、その後にどう向き合うか。

