腹膜播種を伴うステージ4のがんの余命はどのくらい?メディカルドック監修医が、胃がん、大腸がん、卵巣がんの疾患別に、統計データに基づく5年生存率や予後の特徴について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「腹膜にがんが見られるステージ4の余命」はどれくらいかご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
腹膜播種(ふくまくはしゅ)について
そもそも腹膜腫とはどのような状態のことなのでしょうか?以下で詳しく解説します。
腹膜播種とは
腹膜播種とは、がん細胞が内臓と腹壁の間に存在する薄いまくである腹膜に達し、広範囲に散らばった状態のことで、まるで種が播かれるようにがん細胞が腹部内に広がるため腹膜播種と称されています。
また、腹膜播種は、がんの転移パターンの中でも特に予後を悪化させる要因とされており、早期発見と治療が患者さんの生存率向上につながります。
腹膜播種の症状
初期段階では、症状が現れにくく、超音波検査やCT検査でも発見が難しいとされています。しかし、がん細胞が腹膜に付着し、成長して目に見える大きさの腫瘍になって来ると、腹部の膨満感、便秘、腹痛、吐き気、嘔吐などの自覚症状が現れはじめます。
さらに進行すると、腸閉塞、黄疸、水腎症、大量の腹水の蓄積など、深刻な症状が現れ、これらはがん性腹膜炎へとつながり、治療が難しくなります。また、腹痛、体重減少、食欲不振などの症状も腹膜播種に関連してみられます。
疾患別のステージ4の余命
ここでは、ステージ4まで進行したがんの5年生存率について詳しく解説します。
胃がんステージ4の5年生存率
胃がん全体の中でも、特にスキルス型胃がんは早期発見が困難で、進行が早いため、診断時には多くの患者さんがステージ4に至っています。
このステージにおける5年生存率は、約5.9〜6.6%という比較的低い範囲に留まります。
大腸がんステージ4の5年生存率
大腸がんステージ4の5年相対生存率は約18.6%とされています。
ステージ4であっても、手術でがんを切除し、生存率を若干伸ばすことが期待されますが、再発のリスクが高いことも事実です。再発した場合、治療は主に抗がん剤治療や放射線治療によるものとなり、これらは患者さんの余命を延ばすことを目的としています。
卵巣がんステージ4の5年生存率
卵巣がんの末期とされるステージ4の5年生存率は、約20〜30%の範囲とされています。
卵巣がんステージ4の予後は厳しく、再発のリスクが高いことが特徴です。特に腹膜播種を伴う卵巣がんは、特に治療が困難で予後が悪いとされています。

