幼児には絵本を対話のきっかけに
今回、図書館のレファレンスサービスを活用したり、自分で探したりして、実際に選んだ本がこちらです。
子どもの年齢に合わせて、さまざまなタイプの本を選びました
(左上から時計回りに)
熊本日日新聞社『緊急出版 特別報道写真集 平成28年熊本地震 発生から2週間の記録』
<対象年齢>一般
<内容>熊本地震発生から2週間の被害状況を中心に、全国からの支援や避難所の様子などをまとめた写真集
太田出版『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』
<対象年齢>中高生
<内容>さまざまな災害に対する、日頃の備えから被災時の対応までをわかりやすく解説
Gakken『語りつぎお話絵本 3月11日① 午後2時46分』
<対象年齢>小学生全般
<内容>東日本大震災の被災者への聞き取りをもとにしたノンフィクション絵本
ポプラ社『あのとき、そこに きみがいた。 2016年4月 熊本地震の現場から』
<対象年齢>小学3年生
<内容>熊本市在住のイラストレーターが描く熊本地震被災のリアルを綴った絵本
ポプラ社『はしれ、上へ! つなみてんでんこ』
<対象年齢>6歳、小学1、2年生
<内容>岩手県釜石市で大津波から無事に避難した小中学生の体験をもとにしたノンフィクション絵本
小学館『小学館版 学習まんが くまモン』
<対象年齢>小学生〜中学生
<内容>ご当地キャラ「くまモン」の誕生から、熊本地震の発生と被災者を元気づけるくまモンの様子を描いた学習まんが
ポプラ社『16歳の語り部』
<対象年齢>高校生以上
<内容>東日本大震災の発生から5年後、当時小学生だった16歳の3人が語り部として活動する記録
ポプラ社『「あの日」、そして これから』
<対象年齢>小学5、6年生
<内容>カメラマンの著者が写真だけでは伝えられない被災者の言葉を届ける写真絵本
年長の双子には、絵本の読み聞かせをしました。自分と年の近い子どもや動物が題材のお話だったので、真剣に聞き入っている様子。また東北地方以外も大きな揺れに見舞われたことを話すと、お父さん、お母さんや当時飼っていた猫が大丈夫だったか? など、自分の家族に置き換えた想像や質問で対話が広がりました。
震災を題材にした絵本はシリーズになっているものも
絵本を読んだあとも小・中学生向けに借りてきた報道写真集などを自分から手に取り、建物が崩れた様子や避難している人たちの写真について話すなど、関心を示していたのが印象的でした。
とはいえ内容や伝え方には注意が必要だなと思う場面も。双子のうちの一人が津波についての絵本に対して「怖い」「ここにも津波が来るのでは」と不安を訴えたからです。子どもには、いま住んでいるところは内陸地なので津波は来ないことや、雨や台風で近くの川が氾濫する時は、地震と違ってある程度予測ができることなどを伝えました。また、ひざの上で抱っこしながら、もし地震が起こっても家族や先生が守ってくれることを話すと安心したようです。
東日本大震災の時には、震災報道が被災地以外の子どもたちにも影響を与える恐れが指摘された事例があります。そのため、直接的な映像を見せることは避け絵本を選びましたが、大人が思う以上に小さい子どもは恐怖を感じることを実感しました。ただ同じ年齢でも、もう一人はまったく怖がることもなく、読んでから時間が経っても普段通りだったため、感じ方はかなり個人差があるといえるでしょう。お子さんの性格や特性に配慮しながら、伝え方を探ることをおすすめします。
小・中学生には写真や体験談で「自分ごと」に
小学生男子には、まず気軽に手に取れることを第一に考え、マンガ形式のものや写真が多用されているものを選びました。
活字に慣れていない小学生でも手に取りやすいものを
マンガなので普段そこまで本を読む習慣がなくても抵抗なく読めたようです。また、写真や被災者の語りからは、震災の被害の大きさや避難生活の大変さを感じ取っていました。避難の際に中学生が保育園の子をおぶって逃げたエピソードには、自分だったら動けるだろうかと感心していました。
中学生の娘には、自分の年齢に近い被災者の体験に基づく本や、防災知識を学べる本にしました。
「14歳からの」「16歳の」というタイトルが興味を持つきっかけに
思春期の子どもに親が勧めた本を読んでもらい、感想を聞くのはややハードルが高いかな?と思いましたが、直接ではないものの後からLINEで感想を伝えてくれました。
やはり近い年齢の被災者による語りは印象的で、自分が同じ立場だったらと考えさせられたようです。また南海トラフ地震など、これから起こる災害に備えて過去の被災者の経験や教訓を知ることの大切さを感じたと教えてくれました。
