防護・遮断・消火 宇宙での火災対応の基本
具体的には、まず自分の身を守るための防護マスクの着用、消火器を持ったうえであらかじめ決めてあった安全な場所に集合、全員の安否を確認したうえで地上と協力して火災が発生した区画の電源を切り(火種を落とす)、空気循環システムを停止(延焼を防ぐ)する手はずになっています。空気の循環を止めれば、火はやがて周囲の酸素を使い切り、自然に鎮火するはずだからです。
なんらかの理由で火の勢いが弱まらなければ、宇宙飛行士が消火器を持ち消火活動にあたります。このほか、火災が発生した区画を減圧する方法もあります。減圧すると酸素が薄くなって火が弱まるからです。空気もれと同じ状態を意図的につくり出すことになるので注意が必要ですが、消火活動としては極めて有効なので最後の手段として使われることがあるわけです。

こうした火災時の対応を、宇宙飛行士は防災訓練をとおして身につけます。なお、訓練は地上だけでなく、ISSでも行われます。
ミールで火災が起きた際、クルーは全員無事でした。これは、「日頃からの備えがすべて」という考えのもと、訓練に真剣に取り組んできた成果でしょう。学校や会社などの避難訓練で「だるいな。さぼりたいな」と考えてしまう人、結構いるのではないでしょうか。宇宙の暮らしをはじめる前に、真剣に取り組んでみるのをおすすめします。

