帯状疱疹は、水ぼうそうの原因となるウイルスが再び活性化することで発症する病気です。多くは加齢や免疫低下をきっかけに発症し、痛みや発疹を伴うことが特徴です。50歳を過ぎると発症の可能性が高まり、長引く神経痛などの後遺症を残すこともあります。
こうした帯状疱疹を予防する方法として、現在は2種類のワクチンが使われています。それぞれに効果や接種方法、副反応などの違いがあります。
また、ワクチン接種には費用がかかるほか、自治体によっては助成制度が利用できることもあります。接種の適否を判断するには、正確な情報に基づく検討が重要です。
この記事では、帯状疱疹の基本知識と発症リスク、副反応までをわかりやすく解説します。接種を検討されている方の判断材料として、ぜひご活用ください。
※この記事はメディカルドックにて『「帯状疱疹ワクチン」の副反応はご存知ですか?接種費用も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
帯状疱疹の概要と発症割合

帯状疱疹はどのような病気ですか?
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症で、水ぼうそうにかかった人の体内に潜伏していたウイルスが、年齢や疲労などによる免疫低下をきっかけに再活性化することで発症します。神経に沿って皮膚に帯状の発疹が出るのが特徴で、多くの場合は片側に限局して現れ、強い痛みを伴います。発疹の数日前から神経痛のような前触れがあることもあり、早期の治療が重要です。
帯状疱疹を発症する人の割合を年齢別に教えてください
帯状疱疹は、年齢とともに発症のリスクが高まる病気です。特に50歳を過ぎると急増し、50代では年間1,000人あたり約5人、60代では約7人が発症しています。70代では約8.7人、80代でも約8.4人と高い水準が続きます。実際に、85歳までに帯状疱疹を経験する人はおよそ半数にのぼるとされており、高齢になるほど注意が必要です。
帯状疱疹に合併症や後遺症はありますか?
注意が必要な後遺症として帯状疱疹後神経痛があります。発疹が治った後も神経の損傷が残り、強い痛みが続くことがあり、高齢の方ほど長期化する傾向があります。また、顔に症状が出た場合には視覚・聴覚の障害、顔面神経麻痺などの合併症が起こることがあります。まれに脳炎や髄膜炎、運動麻痺といった重い神経合併症が生じることもあるため、初期対応が重要です。
帯状疱疹ワクチンの効果とリスク

帯状疱疹ワクチンの効果を教えてください
生ワクチンは、長年使われてきたワクチンで、接種後1年時点では約6割の発症予防効果があるとされ、3年時点での帯状疱疹後神経痛に対する予防効果も約60%と報告されています。ただし、時間の経過とともに効果は減少し、5年時点では発症予防効果が4割程度に低下するとされます。
これに対し、不活化ワクチンは、接種1年後の発症予防効果は9割以上、5年後でも9割程度の効果が持続し、10年後でも7割程度の効果が残るとされています。帯状疱疹後神経痛に対しても、3年時点で9割以上の予防効果があるとされており、長期的な予防手段として大変優れたワクチンと評価されています。
帯状疱疹ワクチンにはどのような副反応がありますか?
副反応の内容や頻度はワクチンの種類によって異なります。生ワクチンでは注射部位の腫れや軽い発熱などが見られることがありますが、症状は軽い傾向にあります。不活化ワクチンでは、接種部位の痛みや全身の倦怠感、筋肉痛、発熱などの症状が1〜3日続くことがあり、免疫反応が強く出る傾向があります。ほとんどは自然に回復しますが、まれにアレルギー反応を起こすこともあるため、接種後は体調に注意し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

