劇症型心筋炎の主な原因
劇症型心筋炎の原因となる心筋炎は、様々な原因で発症することがあり、主な原因としては下記のようなものがあります。
ウイルス・細菌感染
主な原因としてウイルス感染(パルボウイルスB19、ヒトヘルペスウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなど)があります。頻度は少ないですが細菌感染も原因となります。また、新型コロナウイルス(COVID19)の感染に伴う心筋炎も報告されており、COVID19感染者では約0.01%程度の発症頻度であるとされています。
薬剤性・有害物質
抗がん剤(アントラサイクリン等)や、近年がん治療で使用されることが多い免疫チェックポイント阻害薬などによる薬剤性の症例も報告されています。COVID19ワクチンによる心筋炎も報告されていますが、100万回あたり2-3人(0.0002%程度)とされており、感染そのものによる頻度よりも非常に低いことが明らかになっています。
全身性疾患(膠原病など)
関節リウマチや強皮症、全身性エリテマトーデスなどの膠原病や、サルコイドーシスなどの全身性疾患により、二次的に心筋炎を発症することがあります。これらの持病がある方で息切れや動悸を感じた場合は、速やかに主治医や循環器内科へ相談してください。
劇症型心筋炎になりやすい人の特徴
劇症型心筋炎は、心臓の筋肉の炎症により急激に心機能が落ち、血液の循環動態が破綻してしまう状態です。発症に関連しやすい要因としては、以下のようなものがあります。
発症時の心機能・不整脈の有無
発症した際に、すでに心臓の動きが悪く心機能が低下した状態である場合、死亡リスクに関連していると報告されています。また、発症時に正常の脈(洞調律)ではなく不整脈が認められる状態では死亡リスクを1.5倍程度にすることが報告されており、特に心室性頻拍や心室細動を発症早期に認めた場合にはさらに危険度が高まります。
年齢(高齢者および特定の若年層)
発症時の年齢が高いことが死亡率に関連しているとされ、10歳上がるごとにリスクが1.45倍になるとする報告もあります。一方で若年者での発症も知られており、突然死した若年者の6-10%に心筋炎を認めたとする報告もあります。
先行する感染症や基礎疾患
重い風邪症状や胃腸炎症状が先行している場合、その後の急激な体調悪化には注意が必要です。また、心臓への負担がかかりやすい生活習慣や、免疫系に関わる基礎疾患を持っている方も、重症化のリスクを念頭に置く必要があります。

