劇症型心筋炎の予後平均寿命
心筋炎は臨床像が様々であり、死亡率や平均生存期間についてはまだわからない点も多いです。報告にもよりますが、劇症型心筋炎のような危険な状態となってしまった場合には、死亡率は20-60%程度とかなり高いとする報告もあります。2022年の日本の報告では、発症3か月で30%が死亡するとされています。
劇症型心筋炎の治療法
劇症型心筋炎には、特効薬はなく、全身の循環動態を保つための治療を行うことになります。
薬物治療
通常の急性心不全治療と同様、利尿薬や血管拡張薬、強心薬などを投与します。軽症であれば内服薬を使用しますが、劇症型心筋炎のように重症度が高い場合には、集中治療室(ICU)等での注射や点滴による投与が基本となります。
循環管理(補助循環装置)
心臓の機能が急激に低下し、全身の血流が悪化した場合には補助循環装置を使用します。
大動脈内バルーンパンピング(IABP)/ IMPELLA:カテーテルを挿入し、心臓の働きをサポートしたり血流を維持したりします。
経皮的心肺補助装置(PCPS/ECMO):心臓の代わりに体外のポンプから酸素化した血液を送り込みます。
左室補助人工心臓(LVAD)/ 心臓移植:心機能が改善せず遷延してしまう場合、検討されることがあります。
呼吸管理
心不全により肺に水が溜まる(胸水)と呼吸障害が強くなります。酸素吸入や陽圧マスク、より重症な場合には人工呼吸器を装着した高度な呼吸補助治療が行われます。通常、数週間から数ヶ月の入院期間を要し、状態が安定した後はリハビリテーション科による段階的な身体機能の回復訓練が必要となります。

