家計で買った宝くじで200万円当選。そのうち150万を家計に入れた祥太は、事あるごとに「俺のおかげ」と連呼。義母に対しても「自分は太っ腹だ」と自慢する様子を見て、汐里はやるせない気持ちでいっぱいになって…。
すぐ150万をちらつかせる夫
翌日から、わが家の雰囲気は奇妙なものに変わりました。祥太の態度は、目に見えて「寛大な功労者」のそれになったのです。
「今日の夕飯、刺身にしない?俺、150万も家計にいれたんだし」
「ののかの新しい靴もさ、ブランドのやつ買えば?ケチケチすることないじゃん、当選金があるんだし」
何をするにも「俺のおかげ」という枕詞がつき、そのたびに、私は「ありがとう」という言葉を強要されているような空気が流れます。
感謝はしています。お金が入ったことは事実だし、生活が潤うのも確かです。けれど、どうしても釈然としない。このモヤモヤの正体は、彼の「後出しジャンケン」のような理屈にありました。
外れている間は家計に負担をさせるだけで、ひとたび当たった途端に「俺個人の実力だ」と看板を掛け替える。そのあまりにも都合の良い変わり身の早さに、私は嫌悪感を抱き始めていました。
私の母にまで当選のアピールをする夫
そんなある日、私の母が遊びに来ました。祥太はここぞとばかりに、ビールを片手に意気揚々と語り始めました。
「お義母さん、聞きました? 宝くじ、俺が当てたんですよ。200万! そのうち150万も家計に回したんです。やっぱり家族が一番ですしね」
「あらあら、祥太さんすごいのね! 200万?汐里~、あなた幸せ者ね、しっかり感謝しなきゃダメよ」
母にまでそう言われ、私は頬を引きつらせて作り笑いを浮かべるしかありませんでした。でも、心の中では黒い感情が渦巻いていました。
(当たっていない間のお金のことは何の感謝もされなかったのに、当たったらこっちが感謝?こんなの、あまりにもフェアじゃない……)

