無理しない働き方にチェンジ
編集部
今はどのような生活を送っているのでしょうか?
田中さん
現在は、アルバイトで週3日ほど勤務しつつ、クラウドソーシングでちょっとした在宅の仕事をして暮らしています。フルタイムで週5日働いていた公務員時代に比べると、心身の負担が随分と減ったように感じています。頭痛や聴覚過敏といった身体症状もかなり軽減されました。
編集部
うつ病から回復できたポイントはありますか?
田中さん
生き方の方針そのものを転換したことです。以前の私は「一般的な人生のレール」から外れることを恐れていて、無理を重ねていました。うつ病を発症したのを機に自分と向き合い、ほどほどの力で生きていこうと考えられるようになりましたね。公務員を退職するのは大きな決断でしたが、今はアルバイトとして心身の負担が少なく暮らせているので、退職したことは後悔していません。
編集部
うつ病の治療において、後悔していることはありますか?
田中さん
一番の後悔は「もっと早く休めばよかった」です。いかに早く異変に気付き、いかに早くうつ病治療(適切な服薬、十分な休養)をスタートさせるかが大切です。治療が早ければ早いほど療養期間が短くて済みますし、再発リスクも低くなります。私の場合、不眠、感覚過敏の悪化、希死念慮(きしねんりょ)の出現、頭痛の頻発と、うつ病を疑う症状がこれだけそろっていたにもかかわらず、また人事事務の経験からメンタルヘルスに関する知識がそれなりにあったにもかかわらず、まだ大丈夫だと無理を重ね、なかなか休職に踏み切ることができませんでした。これは私が愚かだったこともありますし、うつ病特有の判断力の低下が招いた結果とも考えられます。
編集部
「うつ病かもしれない」と悩んでいる人にメッセージをお願いします。
田中さん
できるだけ早く受診してください。いかに早く治療をスタートさせるかが予後を握ります。「うつ病かもしれない」程度で病院に行くのをためらっている人もいるかもしれませんが、病気ではなかったらそれに越したことはないのです。悩む時間がもったいないので、とにかく早く医師に相談してほしいなと思います。
編集後記
うつ病は、誰もが経験する可能性のある身近な病気です。生涯で約15人に1人、直近の1年間だけでも約50人に1人が経験するといわれています。大切なのは、自分や周りの人がその症状に気付き、適切な支援を受けることです。苦しんでいる場合は、専門家に相談することをおすすめします。
本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
記事監修医師:
別府 拓紀(精神科医)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

