3人の子を育てる35歳の智美。大雪の日、習い事の送迎と夕飯準備に追われる中、3歳の理人が寝入ってしまう。長男の迎えまで車で往復5分。「少しの間なら」と、智美は眠る子を家に残して家を出てしまう。
幸せだけど慌ただしい日々
私は主人公・智美。35歳の主婦です。夫の亮平は36歳の会社員で、働き盛り。 わが家には、小学1年生の大地、4歳のみお、そしてイヤイヤ期真っ盛りの3歳の理人がいます。
3人兄妹を育てるわが家は、毎日が戦場です。朝起きてから夜寝るまで、自分の時間は1分もありません。それでも「お母さん大好き」と笑う子どもたちの顔を見れば、疲れも吹き飛ぶ……はずでした。あの日までは。
季節外れの大雪
その日は、朝から嫌な予感のする重たい空模様でした。午後になると予報通り、季節外れの大雪。
「うわあ、真っ白だね!」
幼稚園から帰る車の中で、みおと理人ははしゃいでいましたが、私の心境は穏やかではありませんでした。
「2人とも、今日は雪がすごいからすぐ帰るよ。大地の学童のお迎えもあるんだから」
雪道の運転は神経を使います。ようやく習い事を終えて帰宅したときには、子どもたちの服は雪でびっしょり。
「冷たぁい!」
「足が痛いよー!」
泣きべそをかく下の子2人を、私は焦りながらお風呂に放り込みました。
「亮平はまだ帰らないよね。大地の迎えまであと少し時間があるか……。とりあえず、ご飯のスイッチだけ入れちゃおう」
お風呂から上がった2人をパジャマに着替えさせ、夕飯の支度に取り掛かったときです。時計の針は17時30分を回っていました。

