認知症を患い、自宅で介護していた義母が引き起こした出来事の中でも、今でも忘れられないものがあります。ある日突然起きた「現金が消えた」という騒ぎは、家族全員を巻き込む大混乱へと発展しました。あのときの緊張感と、最後に待っていた意外すぎる結末は、今でも鮮明に思い出されます。
突然始まった「100万円が盗まれた」騒ぎ
ある日の午後、義母が血相を変えて私の部屋に飛び込んできました。「タンスに隠しておいた100万円が盗まれた!」と、強い口調で訴えたのです。
最初は、認知症の症状の一つとされる「物を取られた」という思い込みかもしれないと思いました。とはいえ、念のため確認すると、義母が大切に保管していたはずの封筒は、たしかに見当たりませんでした。
家の中には家族しかおらず、外から誰かが侵入した形跡もありませんでした。状況がわからないまま、家族総出で家の中を探すことになりました。
家中の空気が張り詰めた3日間の大捜索
その日から、家の中のあらゆる場所を調べる大捜索が始まりました。引き出しや棚の奥、押し入れの中まで、思いつく場所を一つずつ確認していきました。しかし、いくら探しても封筒は見つかりません。
焦りと不安が広がる中、義母は次第に混乱し、「あんたが犯人だろう」と私を責めるようになりました。家の中の空気は徐々に険しくなり、家族の会話もぎこちないものになっていきました。そうした張り詰めた状況のまま、3日ほどが過ぎました。

