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昼休みにランチに出た新卒社員が消えた? 先輩社員は呆然、入社日に「即退職」は許されるのか

昼休みにランチに出た新卒社員が消えた? 先輩社員は呆然、入社日に「即退職」は許されるのか

入社した4月1日、昼休みに席を立ったまま退社して戻らない新卒社員──。

職場の新卒社員が入社初日から「消えた」という先輩社員のエピソードがSNSで拡散し、波紋を広げています。

この投稿に対して、「うちもランチタイムに新卒社員が消えました」「うちも2時間で辞めた子が…」など、さまざまな体験談が寄せられました。

入社直後の退職は、法的に問題ないのでしょうか。今井俊裕弁護士に聞きました。

●「辞職」は2週間前に伝えるのが原則

──入社初日に退職することは、法的に問題ないのでしょうか

従業員の側から「雇用契約を終わらせたい」ということは、一般的には「辞職」と呼ばれます。

雇用期間に定めのない契約の場合、辞職するには、その意思を2週間前に勤務先へ伝える必要があります。

辞職理由の当否は特に問われません。とにかく意思を伝えれば、その2週間後には雇用契約は終了します。

他方、期間に定めのある雇用契約(いわゆる有期雇用契約)の場合、原則として契約期間中はその内容に従う必要があり、途中での辞職は認められません。

ただし、これは原則論であり、雇用契約の期間の定めがあろうと、なかろうと、やむを得ない理由がある場合は、従業員の側からいつでも辞職の意思を伝えて雇用契約を終了させることができます。

SNSへ投稿された事案の詳細は不明ですが、入社初日からいきなり、就労継続に支障があるほどのやむを得ない理由が生じたならば、その辞職自体は有効となり、雇用契約は終了します。

ただし、その生じた理由について、従業員に過失がある場合は、勤務先に対して損害賠償責任を負うことになるため注意してください

●「無断退社」の新卒社員、会社は賠償請求できるのか

──今回のケースでは、昼休みに無断で退社してしまったとのことですが、新卒社員が「飛んだ」場合、会社側から新卒社員に対して、損害賠償を請求することは可能なのでしょうか

こうしたケースでは、従業員が辞職の意思を全く伝えていないので、「無断欠勤している」という扱いになるでしょう。職場に就業規則があれば、しかるべき規定があるはずです。

通常はその無断欠勤が一定期間継続する場合は、「解雇できる」という扱いが多いと思います。

この場合、その従業員の責めに帰すべき理由があるならば、会社はその従業員に対し、損害賠償請求ができます。

ただし、入社初日の午後からの無断欠勤であり、責任ある役割を任せているわけでもないでしょうし、営業部門であっても内勤部門であっても、いずれにせよ、会社の業務に具体的な損害として金銭的に評価できるほどの支障が生じるケースは、通常は多くないと考えられます。

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html

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