小児の矯正歯科治療の相談は年々増加中。背景にある“誤ったスタート地点”
セミナーの冒頭で大澤副会長は、矯正歯科の専門家集団である同会の活動について紹介。5年以上の臨床経験と厳格な審査を経て入会が認められる全国組織であることを説明しました。
続いて示されたのは、厚生労働省のデータに基づく矯正歯科の患者数の推移。少子化が進む中でも、5〜19歳の矯正患者数は増加傾向にあることが明らかになりました。

また、同会が設置する「矯正歯科何でも相談」には、年間250件前後の相談が寄せられており、小児の矯正歯科治療に関するものも多数あるといいます。大澤先生は相談が減らない背景として「最初に選んだ歯科医院が適切でなかった可能性がある」と指摘し、消費者の正しい知識と判断の重要性を強調しました。

続いて登壇した同会の土屋会長は、近年の歯科業界の変化について言及。歯科医院の数はコンビニより多い一方、人口減少による患者の取り合いが激化。専門コンサルやメーカーの勧めによってビジネスモデルを見直し、「矯正歯科」「小児矯正歯科」を標榜する医院が急増している点や、「いとも簡単に歯並びを治せる」と思わせるような治療器具の広告が増えてきている現状について説明しました。

さらに、「実は“矯正歯科”と看板を掲げるのに、専門教育は必須ではありません。歯科医師であれば誰でも標榜できるのです」と土屋先生。2025年の調査では、この事実を知っていた人はわずか2割にとどまり、矯正歯科治療を検討している多くの人が“専門の矯正歯科医”と“標榜医”の違いを知らずにいたことが明らかになりました。

